階猛議員

 衆院本会議で9日、民進党が提出した鈴木衆院法務委員長解任決議案が審議され、民進党は階猛議員が趣旨弁明、井出庸生議員が賛成討論に立った。

階猛議員趣旨弁明

 階議員は、法務委員長解任決議案提出の理由として、鈴木法務委員長が共謀罪法案(組織犯罪処罰法改正案)の審議に際し、質疑者が要求していない政府参考人の出頭要求を議決し、質疑者が答弁を求めていないのに金田法務大臣の代わりに政府参考人に答弁させていること等が衆院規則違反に当たることを挙げた。その他にも自民党の理事が階議員に対して名誉棄損ともとれる不規則発言をしたにも関わらず、その発言を撤回させないこと等も問題として挙げた。階議員は、こうした問題が起きた原因として金田法務大臣の答弁能力の欠如と共謀罪法案の内容に問題があることを指摘し、「委員長には同情するがルールに反した運営をしてまで大臣を守り、法案を拙速に通すための運営は許されない」と鈴木法務委員長の法務委員会の運営方法を強く批判した。

井出庸生議員賛成討論

井出庸生議員

 井出議員は、政治家同士の議論を深めようとする国会改革の流れの中で政府委員制度が廃止されたことに触れながら、今回、鈴木法務委員長が野党と無所属議員の反対の中、政府参考人を共謀罪法案審議の間、常時出席させることを強行採決で議決してしまったことについて、「政治家同士の議論を深めようという現在の政府参考人登録制度の根幹をぶち壊す悪行」と断じた。井出議員は金田法務大臣の答弁能力の欠如を指摘し、「法務委員長たる鈴木淳司君がやるべきことは、法務大臣に責任感を持って答弁できるよう促すことであり、政府参考人を強制出席させて、答弁のできない大臣を守ることではない」と批判。鈴木法務委員長について「金田大臣の守り神となってしまった」と趣旨弁明に賛成する理由を述べた。

 鈴木法務委員長解任決議案は賛成少数で否決された。