民進党は24日朝、連合幹部との定例の意見交換会を党本部で開いた。民進党から蓮舫代表、安住淳、江田憲司の両代表代行、小川敏夫参院会長、野田佳彦幹事長らが、連合からは神津里季生会長、芳野友子副会長、逢見直人事務局長らが出席した。
蓮舫代表は冒頭、メーデーへの招待、党大会への連合関係者多数の出席と神津連合会長のあいさつ、「新・共謀罪の取り下げを求める連合5・12院内集会」の開催などに謝意を示すと同時に、共謀罪法案(組織犯罪処罰法改正案)の審議について、「舞台は参院に移るが、この法案は廃案しかない方向だ」と力強く訴えた。
春闘の成果については、「極めて素晴らしい成果が出ている。1000人以上の企業より100人以上の企業の方がベースアップされている。中小零細企業で頑張っている人たちが努力していることが賃金に返ってくることが本当に大事。(それにより)景気回復、消費がしっかりと動いていくことが、野党の私たちが求めている経済再生の当然の姿なので、その努力に心から敬意を表したい」と連合の努力に敬意を表した。
蓮舫代表は、小泉政権下で検討され導入に至らなかった「解雇の金銭解決制度」の議論が政府内で蒸し返されていることについても触れ、「民進党の政策集には解雇の金銭解決制度は認めないと明記しているので、引き続き連合の皆さまと協力させていただきたい」と制度導入を認めない方針を述べた。
東京都議会議員選挙については、「働く皆さま方のために、首都東京で暮らす皆さま方の生活をしっかり支えるために、都議選に全力で臨んでいきたい」と決意を語った。
神津会長はあいさつで、春闘の結果や働き方改革、国会の審議状況に触れた。共謀罪法案の審議については、「連合の考える懸念事項が明らかになっていない」と指摘し、「政府・与党の全く聞く耳を持たない対応ぶりは極めて遺憾」と政府・与党の対応を批判した。
また、閣僚や与党議員の不適切発言やスキャンダル、森友学園問題や加計学園問題もあるにもかかわらず内閣支持率が高止まりしてることも指摘し、「さらに国会での不遜な態度を許し悪循環になっている」と国会の状況を憂慮した。
こうした政府・与党の状況を変えていくために神津会長は「与党に対峙(たいじ)しうる一方の旗頭として、民進党が名実ともに国民の思いと期待を担いうる受け皿となるしか展望は開けない」とし、(1)個々の政策の柱となる目指す社会像・ビジョン、政権構想を早期に国民にわかりやすい形で示すこと(2)地方組織を立て直し、強化していくこと――が極めて重要であると語った。(1)については、「『尊厳ある生活保障総合調査会』での議論内容は極めて重要な示唆を内包するもの。今後のビジョンの提示に大変期待をしている」と述べ、(2)については、「ビジョンや政権構想を全国各地で国民に訴えていく活動の基盤ともなる地方組織を立て直し強化していくことが、党勢の回復、国政選挙での勝利のために極めて重要。全国各地で民進党の顔が見えるようにしていただきたい」とエールを送った。
その後、逢見事務局長、野田幹事長から連合、民進党それぞれの現状が報告され、さまざまな論点の意見交換が行われた。