衆院決算行政監視委員会で5日、2014年度と2015年度等の決算審議が行われ、民進党の宮崎岳志議員が質問に立ち、加計学園獣医学部新設にかかわる安倍総理の関与などについて追及した。
冒頭、加計学園問題でいわゆる「総理のご意向」とされる文書を「本物だ」などと証言した前川・前文部科学事務次官について、「うそつきだと思うか」と安倍総理の見解を求めた。その単純な問いに対して総理は、関係のない話を延々と続け、結局それに答えず、はぐらかしに終始した。
かつて安倍総理が加計学園の役員に就いていたとされる事情に関連して、「その期間、仕事の内容、報酬の合計額」など、総理の加計学園への関係についてただした。総理は「20年以上前の話で、はっきり言えないが、監事をしていた。経営方針等を聞いて意見を言ったりし、報酬は1カ月で1万1千円くらいで、1年間で14万円だった」と述べ、加計学園への関与の実態を語った。
続いて、安倍総理の外遊に際して加計学園の加計孝太郎理事長の同行、政府専用機への同乗といった事実があるかを確認した。それに対して安倍総理が答弁を回避したため、外務省職員が代わって「2013年5月の安倍総理のミャンマー訪問に同行した」「ミャンマーのヤンゴンとネピードーとの間に限り、政府専用機に同乗した」などと答弁し、加計学園に便宜を図っていたことが明らかになった。
学園経営への関与、政府専用機への同乗をはじめ、加計学園との密接な関係が次々と明るみになってきたことを受け宮崎議員は、3月13日の参院予算委員会で安倍総理が「働きかけがあったら責任を取る」と発言したことについて「働きかけが証明されたらどんな責任を取るのか」と追及した。それに対して総理は「(責任の)中身についてはあえて申し上げる必要はない」と、かつての威勢のいい発言から一転して責任回避を企図する姿勢に転換した。