蓮舫代表は8日、国会内に内堀雅雄福島県知事を迎え、「ふくしまの復興・創生に向けた提案・要望」に関して民進党への申し入れを受け、意見交換した。岡田克也東日本大震災復旧・復興推進本部長、大串博志政務調査会長、金子恵美ネクスト復興大臣が同席した。

 内堀知事は重点要望事項として、(1)復興にむけた派遣職員などの人材確保(2)避難地域・避難準備地域の復興再生(3)福島イノベーションコースト構想(4)再生エネルギー先駆けの地・福島新エネ社会構想(5)東電福島第2原発廃炉――等について説明した。

 福島県が抱える現在の課題として「悩んでいるのは風評と風化の問題。本来矛盾する概念だが、福島県では同時に進んでいる」と内堀知事は指摘。風評について、「一方では偏った情報が強まり、何かあると時間が引き戻されてしまう。世界には、福島県は全県避難だと思っている方が結構おられる。間違った風評をどうやって解消するか。これは福島プロブレムであるとともにジャパンプロブレムだ」と強調した。他方で風化の問題として、「6年経って、他の地域でも災害やテロが起こっている。まだまだ福島でやらなければならないことはたくさんあるが、もういいんじゃないかと風化が進んでしまう」と危機感を伝えた。自主避難した児童へのいじめが発覚した横浜市が教職員の研修ツアーを始めた事例を紹介し、「風評と風化を解決するには実際に現地を訪れ肌で感じてもらうことが大切だ」と述べた。

 蓮舫代表は、飯舘村を視察した経験に触れながら、「子どもたちに着眼したときになかなか戻ってこないという耐え難い現実に対して、予算だけでは測れないところをどういうふうに発信していけるか。特に心の部分はどうしたら良いものか。そうしたことを常に悩みながら、一緒にやっていきたいと思っている」と応じた。

 岡田本部長は「子どもを対象とした健康調査の受診率が下がっていると聞いている」と子どもの健康対策の重要性を指摘。内堀知事は「受診の心理的な不安や専門家でもどう判断するか判定が難しいという現状がある」と、福島県が独自に第三者委員会や国際機関の協力を得て行う、より中立的な調査の仕組みを模索していると説明した。

 大串政務調査会長は「国会に復興加速4法案と廃炉法案を提出している。この法案を着実に前に進めていきたい。JR常磐線への新たな支援について議員立法も検討されている。政策面での取り組みをさらに進めたい」と強調した。

 金子恵美ネクスト復興大臣は「復興本部で福島復興再生基本方針の改定案をヒアリングし、県選出議員団と連携して必要な指摘や要望を政府に求めていく」と当面する課題を語った。

内堀雅雄福島県知事を迎え「ふくしまの復興・創生に向けた提案・要望」に関して提案を受け意見交換した

内堀福島県知事を迎え「ふくしまの復興・創生に向けた提案・要望」に関し意見交換