野田幹事長は、今回の東京都議会議員選挙について「東京都の将来を決める選挙であるとともに、おごり極まれりの自民党政権に対して『NO』という意思表示をするチャンスでもある。おごり高ぶる長期政権に対し猛省を促す1票を投じることができるのは東京都民だけだ」と意義を説き、そのことを踏まえた投票行動をしてほしいと呼びかけた。
国政での権力の私物化の問題の典型的な例として稲田朋美防衛相が27日、都議選の応援演説で「自衛隊としてもお願いしたい」などと発言したことに言及。野田幹事長は、父親が元自衛官である立場からも「自衛隊は自民党のためにあるのではない。国家国民のためにある。国家国民のために厳しい訓練を行い、いざというときには命を懸けて国民のために頑張るのが自衛隊という組織であり、特定政党のために存在するわけではない。政治的には中立であり、自民党のための実力行使の組織ではない。稲田大臣のための私物ではない。間違えるな」と指弾した。
稲田大臣をめぐっては、これまでも南スーダンのPKO派遣部隊の日報問題や、森友学園問題での虚偽答弁などさまざまな問題があることから、大臣の資質に欠けているとあらためて指摘。野党の罷免要求に対し、今なおかばい続けている任命責任者の安倍総理にも問題があると断じた。
「自衛隊という大事な、政治的に中立であるべき組織を私物化するような自民党には断固『NO』という意思表示をしなければいけないのではないか」と主張。森友学園問題や加計学園問題など政府が国民に説明責任を果たすべきことが山積しているにもかかわらず国会を開こうとせず、憲法53条の規定に基づき要求している臨時国会開会要求にも応じようとしないことを厳しく非難し、「疑惑にふたを閉じている国会をこじ開けるための1票をあべ由美子に託していただき、真相究明の国会を開こうではないか」と呼びかけた。
あべ候補は、「誰も『NO』と言わない権力の一強支配が権力の私物化、政治の私物化ををつくっている。東京でも長く都議会と都政の馴れ合い続くなかで何度も知事が政治を、都政を私物化し任期途中での辞任が続いた」と指摘。「昨年小池都知事が就任し東京都政の安定化の兆しが見えてきた」と期待を示す一方、「知事の言うことは何でも聞く、知事のご意向には何でも従う都議会をつくってしまったら、東京はまた一強政治になってしまう。今回の都議会議員選挙ではしっかりと是々非々の立場で、都政に、都知事にモノを言える都議会をつくっていかなければいけない」と述べた。
築地市場の豊洲市場への移転問題では、豊洲市場の整備だけですでに6千億円が投入されていることに触れ、「6千億円というと品川区の一般会計予算の4年分にあたる。保育園を3千カ所つくることができる、それだけ大きなお金だ。さらに2つ目の市場をつくるのは正しい税金の使い方と言えるのか。老後の安心や、子どもたちの育ちを育てていくための税金が足りなくなるのではないか。都政のお金の使い方をしっかりとチェックしていく議会をつくっていかなければいけない」と表明。「品川区議として4期10年間、区民の生活を見つめてきた。私自身が品川で子育てをしながら主婦として暮らしを担ってきた。その視点から、1円も税金の無駄遣いをさせないという決意だ」と力を込めた。
街頭演説会には東京都連会長の松原仁衆院議員も参加、司会進行は松永吉洋品川区議が務めた。
街頭演説後、野田幹事長はあべ候補とともに街宣カーに乗り込み、民進党、あべ候補の政策をアピールし支援を求めた。