蓮舫代表は23日、高知市内で開かれた女性集会に出席。高知地方では行動的で気性のさっぱりした女性が「はちきん」と呼ばれるが、そうした「はちきん」約30人といまの政治情勢や社会が直面する課題等について意見を交わした。
高知県連副代表の大石宗高知1区総支部長は、森友学園問題や加計学園問題、南スーダンのPKO部隊の日報問題に共通する安倍政権の隠ぺい体質を問題視。「民主主義というのは、情報公開をどれだけしっかり行うかが重要だ。今これがないがしろにされており、民主主義の危機と言っていいのではないか」と訴えた。
高知県内でも民主主義の危機と言える状況があるとして、自身の選挙区内にある人口約400人の大川村では、人口減少による議員のなり手不足を背景に、村議会を廃止して「村総会」を設置する検討を始めたことに言及。「大川村のみならず私の選挙区17市町村のほとんどの自治体で議員のなり手不足の状況がある。住民が政治に目を光らせ、厳しい意見も言い、より良いお金の使い方をするという意味で、政治が停滞しつつある懸念がある」と述べた。
自由民権運動の主導者である故・板垣退助氏の99回忌の法要が16日にあり、県連代表の広田一2区総支部長とともに参加して、あらためて自由・民主主義や高知県の歴史に思いをはせたと報告。「民進党は自由、民主主義を大切にしていく。草の根活動をさらに広げていかなければいけない」などと決意を語った。
広田総支部長は、「地域を回る中で人口減少が進んでいることを実感する」と述べ、「特に空き家が増え、1人女性、なかでも女性の高齢者の1人暮らしが増えている」「アベノミクスによって格差と貧困が拡大し、多くの人が将来への不安を抱えている。自己責任、自立の名の下で孤立している人が多いと感じる」と指摘。経済的負担を減らすためデイサービスに通うことをあきらめ、家に引きこもっているという女性の話を紹介し、一方で地域のさまざまな活動の中心にいるのも女性だとして、そうしたエネルギーあふれる出席者を前に「忌憚のない、活発なご意見をぜひ聴かせてほしい」と呼びかけた。
蓮舫代表は、「安倍政権のおごりを許してはいけない」と切り出し、自分たちの友だちは守り、そうでない人たちに対しては情報を漏らすといった姿勢をあらためて批判。「政権は公平性を担保しなければいけない。そうでなければ国民に対して政策をお願いすることはできないと思っている。安倍総理は、国民に丁寧に説明していくと言ったがその責任を果たしたのか。24、25両日の国会審議ではしっかりただしていきたい」と力を込めた。
森友学園問題や加計学園問題を受け、先の通常国会の会期末には公文書管理法改正案を提出したことにも触れ、「稲田大臣は今度は『認識がない』と発言しているという。記憶がない、記録がない、認識がない。じゃあ何が残るのか。われわれは対案をもって問題を指摘し、改善をするという野党第1党の役割を果たしていく」と述べた。
集会では、出席者から普通の人々の暮らしや抱える課題に目を向けない安倍政権への批判が相次ぐなか、次世代によりよい日本をどうつないでいくかという視点で子育て支援や働き方の問題など幅広いテーマにわたって意見を交わした。このなかで蓮舫代表は「われわれの感覚と安倍政権が決定的に違うのは、安倍総理は『有効求人倍率が上がった』『景気が良くなった』『給料が上がり、雇用が広がった』と言うが実態はどうなのか。データは都合よく切り取ることができる。私はデータが改善したと誇るのではなく、そこから漏れている人たちに目を転じるのが政治だと思っている」と指摘。「きちんと食事をとれない、学べない子どもに向けないといけない。今の社会で最も理不尽で、許せない、自己責任で切ってはいけないと思っているのが子どもの貧困問題だ。岸田外務大臣が17日、国連本部での会合で貧困撲滅に向け総額10億ドル(約1100億円)規模の支援を実施すると表明したが、一部でいい。メインは日本の貧困対策ではないか。お金の使い方が決定的に違う。民進党は、子どもに、次の世代に目を転じたいと思っている」と強調した。
集会の司会は、高知県連幹事長の前田強高知県議が務めた。