蓮舫代表は8日長崎入りし、長崎大学、市立長崎原爆資料館、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館、原爆落下中心地公園を訪れた(写真上は長崎大学核兵器廃絶研究センターでの大学生や若者との対話の様子)。
長崎大学では、片峰茂学長を表敬訪問し、東日本大震災及び原子力災害の被爆医療体制や医療活動支援についての意見交換を行った。
その後、同大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)を訪れ、核や平和の問題に関心を持つ大学生や若者との対話を行った。
蓮舫代表は冒頭のあいさつで、東日本大震災の原子力災害対策時にRECNAから協力を得たことなどを話した。
若者からは、「核兵器禁止条約についての日本の態度と、批准についての民進党の考え方」「核廃絶に向けての民進党の考え方」「東日本大震災の際に科学者の信頼が失われたのか」「政治に対する不信感・関わり方」「民進党は議員同士の意見がバラバラなのか」「野党共闘」「蓮舫代表の政治家として中心軸」「原発再稼働」「平和教育が縮小しているのではないか」「まちづくり」「世襲議員は一般の生活を知らず、新しい考えも生まれないのではないか」「国民に沿った政治を」――といった多種多様な質問や意見が寄せられた。蓮舫代表は熱のこもった語り口調で丁寧に党の方針、自身の考え方、未来に向けてのメッセージ、政治の現状について語った。
対話には同大学の調漸(しらべ・すすむ)副学長、RECNA副センター長の広瀬訓(ひろせ・さとし)教授らも同席した。
蓮舫代表らは、次に長崎原爆資料館を訪問。青来有一の名で芥川賞を受賞している中村明俊館長の案内で視察。その後、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館も訪れた。
さらに長崎県宗教者懇話会が主催する原爆殉難者慰霊祭に出席し、献花を行った。この慰霊祭は、宗教・宗派を超えて、原爆殉難者を追悼し、世界平和を祈るもので、今年で45回目となる。
資料館の訪問後、記者団の取材に応じた蓮舫代表は、資料館を視察した感想について、「72年前にこの地で起きたことは、壮絶な、言葉では言い表せないような悲惨な体験。被爆者の方たちの平均年齢が81歳を越えることになっているので、平和の尊さを、私たちの世代、戦争を知らない世代が伝えなければならないという思いになった」と述べた。
核兵器禁止条約について日本政府が参加すべきかとの質問には、核兵器禁止条約の採択の場所に日本政府が欠席していていると述べた上で、「その経緯、どういう議論があったのかも含め、説明を受けていない。どういう経緯で、そうした棄権という判断に至り、この先批准に向けてはどういう意志で向かっていくのか、その説明を河野大臣から受けなければならない」と語った。
さらに、仮に政権を持っていた場合、参加するかとの質問には、「0か100かではない。非常に難しい。アメリカとの関係もあり、他方で唯一の被爆国として核兵器を廃絶していくのは、わが国の悲願でもある。その間を、どのように核保有国と非保有国との架け橋を担っていけるのか、その条約がどのような位置づけになるのかも含め、判断をしなければならない」と述べた。
長崎大学には、県連幹事長代行の吉村正寿県議、同副幹事長の高比良末男元県議が同行。長崎原爆資料館では五輪清隆市議が加わり。原爆殉難者慰霊祭には県連代表の髙木義明衆院議員らも出席した。