蓮舫代表は9日、長崎市の平和公園で開かれた「被爆72周年長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」に党代表として参列し、献花を行うとともに、原爆死没者への慰霊と世界の恒久平和への祈りを込めて黙とうを捧げた。
原爆投下時刻の午前11時2分の黙とうに続き、田上富久長崎市長は「平和宣言」を読み上げた。田上市長は7月に国連で採択された「核兵器禁止条約」について、「被爆者が長年積み重ねてきた努力がようやく形になった」と述べた。その上で、核兵器保有国と核の傘の下にいる国々に向け「核兵器によって国を守ろうとする政策を見直してください」と述べ、核不拡散条約(NPT)にある、核軍縮交渉を行う義務を果たすよう訴えた。
また日本政府に対しては、「核兵器禁止条約の交渉会議にさえ参加しない姿勢を被爆地は到底理解できません」と述べ、一日も早い条約への参加と、日本国憲法の平和の理念と非核三原則の厳守を発信し、「北東アジア非核兵器地帯」構想の検討を求めた。
「北東アジア非核兵器地帯」構想とは、日本、大韓民国、朝鮮民主主義人民共和国の3カ国を非核兵器地帯にしようとするもの。
さらに「世界中のすべての人に」として、「最も怖いのは無関心なこと、そして忘れていくことです」と述べ、戦争体験者や被爆者からの平和のバトンを途切れさせることなく未来につなげていくことを呼びかけた。
また福島の原発事故から6年経ったことに触れ、「長崎は放射能の脅威を経験したまちとして、福島の被災者に寄り添い、応援します」と述べた。
式典には、地元長崎県の髙木義明衆院議員、馬淵澄夫衆院議員も出席した。