28日に開かれた衆院予算委員会で、無所属の会2番手として篠原孝衆院議員が質疑に立った。篠原議員は、(1)獣医学部の設置の効果と必要性(2)国家戦略特区の効果(3)与野党の質問時間――について質疑を行った。
篠原議員は、これまで52年間獣医学部が新設されてこなかった理由について、「文科省は融通が効かなくて、意地悪をして獣医学部を作らなかったとずっと言われている。しかし違う。需給関係を見ると作る必要がないからだ」と「家畜の飼育頭数の将来予測」や「獣医師1人当たりの担当飼育頭数」などのグラフを示して家畜の数が減ってきていることを説明。加計学園が獣医学部を新設する四国では、全国的と比較して獣医師1人当たりの担当飼育数が少ないことを示し、「需要と供給のことを考えたら四国に(獣医学部が)ないのは当然。それを歪めて獣医学部をつくろうとしている。規制改革とかそういうのとは全く逆のことをやっているのではないか」「完全に余計なおせっかいな政府の介入だ」などと厳しく追及した。
国家戦略特区への獣医学部新設を検討してきた八田達夫国家戦略特区ワーキンググループ座長について篠原議員は、「議事録を見ると相当介入している」と述べ、「ワーキンググループは適当な人を呼んで都合悪い議事録を公開しない。そしてものすごい意図的に議論をリードしている。例えば、(獣医学部設置を)推進する人たちの意見を聞いて既成事実化して、それをその後突然、特区の諮問会議にかけて、そして唐突に『早く作るんだ』と規制事実をつくる」「諮問会議をほしいままにして適当に操っている。これが非常に良くない」などと批判。そのうえで、「この方は辞めさせていただきたい。この方がこの議論を悪い方向に誘導している」と梶山内閣府担当大臣に求めた。
篠原議員は、今国会で与党議員が質問時間を増やすように求めていることについても触れ、「自民党若手に不満があるようだが、これはよく分かる。ひとつは先ほど申し上げた八田氏たちが政治を動かしているからだ」と指摘し、「政治家になって政策をやろうとしているのにそれをやらしてもらえないで他のわけの分からない人たちが決めている。これにイライラしているのではないか」と考えを述べた。さらに篠原議員は、「官邸機能の強化が橋本行革の要だったが、強くなりすぎて官邸の補佐官や秘書官が次々にやっていて、与党たりとも政治家があまり関与できなくなっている。ここに問題があるのではないか。この点を正していただきたい」と安倍総理や菅官房長官を問いただした。