青年自治体議員ら500人で構成する民進党全国青年委員会は3日、「民進党臨時全国青年大会」を党本部で開催した。

 大会では、(1)民進党の青年議員組織である全国ネットワークを維持・発展していくこと(2)ブロック青年委員会をこれまで一緒に活動してきた同志をつなげるハブとなるプラットホームとしていくこと(3)人材発掘を目的に若手社会人や学生の積極的な勧誘を都道府県連の青年組織が積極的に行っていくこと(4)統一地方選などに向け、組織力を生かした相互支援、政策力強化に取り組み、青年候補の財政支援や支持母体との橋渡しなどを党本部に求めていくこと――などを全会一致で決定した。

PDF「民進党臨時全国青年大会決議」民進党臨時全国青年大会決議

PDF「民進党全国青年委員会の今後の運営方針」民進党全国青年委員会の今後の運営方針

〇田辺一城全国青年委員会事務局長の冒頭あいさつ

 私たちが置かれている現状は、あらためて説明は申し上げません。この47都道府県において、本当にいろいろな事情を私たちの仲間の皆様が抱えている。私の福岡と、北海道と、東京と、島根と、ぜんぜん違う事情を私たちは抱えている中で、この全国青年委員会がこの6年間果たしてきた役割というのを振り返るに、多くのご意見を電話などでいただきました。「この全国のネットワークは何とか維持していきたい」と言っていたら怒られて、「発展をさせる」と表現すべきだと、前田強高知県議会議員から言われました。

 私たち青年議員は、実は2012年に津村啓介衆議院議員が青年局長・青年委員長に就任して以降、組織をしっかりつくろうということで、お集まりのように47都道府県すべてに青年組織をこの間に立ち上げました。そして、その青年組織がもう少し横でつながるように強めようということで、11ブロックのブロック制をとりまして、ブロックでの活動も本部からご支援をいただきながら展開をしてきました。

 そして、全国47都道府県・11ブロック、議員・非議員すべて合わせますと500人ほどになります。この全国の組織を、私たちで形づくってきた。そしてボトムアップ、しっかりと一人ひとりの意見が反映される組織にしようということを、反省を毎年踏まえながらやってまいりました。

 今回、わが民進党がこのような状況に陥って、11月に2回、青年組織所属のすべての皆さまに、県連も通じましてアンケートもとらせていただきました。そして、そのアンケートを集約させていただいたものについては、もう既にすべて大塚代表にお渡しさせていただいております。

 そして、この2回のアンケートと役員会等の議論も踏まえまして、本日提案をさせていただきます決議文、そして今後の青年委員会の運営がどのようにあるべきかという、一定の方向性を案としてお示しさせていただきます。この案はあくまで案ですので、実は本日の大会以前に、これもまた全国の都道府県連を通じて、この案文のデータ自体はもう既に青年組織所属のすべての皆様に届くようにさせていただいております。とはいえ、なかなか全部に行き届かない面もありますので、あらためて本日示した案についてもご意見をいただきながら、何とか前向きな方向にこの民進党全国青年委員会の組織網を未来につなげていきたいという強い思いを私たちは――あえて「私たちは」と申し上げますが、アンケートを全部読ませていただいても、やはり国政選挙だけの影響を受けてこの政党が分断されるということが、この国の民主主義にとっていいと思っている仲間は誰もいないと、私はアンケートも読ませていただいて感じました。

 私たち全国青年委員会が、たまたまですが、タイミングよくマニフェスト大賞も受賞いたしました。「日比プラン」、仲間の日比健太郎名古屋市議が亡くなる前に、白血病の闘病体験をもとにして、彼が政策提言をしてきてくれました。この政策提言を民進党全国青年委員会としてしっかりと形にしていこうということで、この1年間、その政策提言に基づいた各地方議会における意見書の議決と、それを国に出すということ、そしてまた市町村や都道府県で政策制度を新たにつくっていくということを、一気に1年間で実現できた。これは本当にこの組織があったからこそだと、私自身は、いや、おそらく皆さんは思っていらっしゃると思います。実はそうしたところが、授賞式に私も参りましたが、すごく評価をいただきました。「地方政治における政党の価値をしっかりと示してくれた」といった趣旨のご評価をいただきました。

 政党は、国政のためだけにあるのではない。ともすれば、今、回っていると「民進党、なくなったんだろう」とか簡単に、私、一軒一軒回っていても言われますが、「なくなっていないんですよ」と。ほかの新興の野党の皆さんになくて私たちにあるものは地方組織であり、自治体議員であり、そしてここにみんなで集まっている、私たち地方に関わる若手の政治家の一人ひとりであると思います。

 このネットワークを分断させないで、どのような形でこれからこの国の民主主義のために前進させていくことができるか。そうしたことをみんなで考える場をつくろうというのが、衆院選挙の後にいろいろなご意見の中でありました。ですので、今回臨時大会という形で、きょうこの場を設けさせていただきました。

 ぜひ、若者ですから、民進党を前に、民進党の仲間たちと私たちが前に進んでいけるよう、きょうは有意義な大会にしていきたいと思います。どうか活発なご議論とご意見をいただけましたらと思います。

〇大塚耕平代表の冒頭あいさつ

 日本の民主主義はまだ発展途上です。日本に国会ができたのは1889年、128年前。実は地方議会のほうが若干早いのです。私の愛知県の愛知県議会とか京都府議会とかは、結構早かったと思います、それよりも早い時期にできていましたが、国会は1889年、128年前。

 しかし、きょうは女性議員の皆さんもいらっしゃいますが、女性の皆さんは投票権がございませんでした。男性も、おそらくきょうここにいる人はほぼ全員、投票権がなかったのではないでしょうか。高額納税者だけですから。「いや、自分は高額納税者だ」という方もいらっしゃるかもしれませんが、男性人口の大体5%。それではまずいということで、男子普通選挙になったのは、1925年に法律ができて、1928年の総選挙からです。しかし、女性の皆さんが選挙に参加できるようになったのは、戦争が終わった翌年の1946年からです。まだ71年しか経っていないのです。

 そして、その翌年に施行された日本国憲法には、国民の皆さんが主権者だと書いてある。しかし、主権者だからといって皆さんに直接予算がつくわけではないし、あるいは何か課題があるからといって総理大臣から説明の電話がかかってくるわけでもない。一体、主権者の証は何だといえば、これは総選挙の時に政府を選ぶことができる。これが唯一の主権者の証でありますが、私の世代より上は、残念ながら選挙に行っても政府がかわる可能性のある選挙なんていうのはずっと、30代、40代前半くらいまでなかったわけです。それではまずいということで、1996年、各界の先輩たちが、国民の皆さんがちゃんと政府を選べるようにしようという大きな議論を経て小選挙区制が導入され、2009年に初めて政権交代が起きた。

 大げさに言うと、わが国の歴史2000年の中で、国民の皆さんが1回の選挙で政府の担い手を変えたというのは、これが初めてです。それが起きてからまだ8年です。

 そして2012年、われわれは下野しました。申しわけないことでした。しかし、われわれ民主党・民進党の立場から言えば情けないことでしたが、政治は民主党・民進党のためにあるわけではありませんし、どの政党のためにあるわけでもありません。国民の皆さんのためにあるわけですから、国民の皆さんから見たら、2012年もまた政府を選択したのです。

 しかし2014年は、皆さんご承知のとおり、とてもそういう雰囲気ではありませんでした。

 今回、あの解散のタイミングと、希望の党という新しい党ができて、その中でどういうふうにしたら国民の皆さんに政府を選択する機会をご提供申し上げることができるかどうか。おそらく、前原前代表はそんなようなこともお考えになって、あの決断をされたのだと思います。結果は、詰めが甘かったし、あの混乱は何とも看過しようがございませんので、ご承知のとおりのこの展開になっているわけであります。

 しかし、政治に終わりはありません。また4年以内に総選挙がやってくる。その前には参院選挙もあれば、そして皆さんの統一自治体選挙もある。選挙の積み重ねでこの国の政治、民主主義は動いているわけでありますので、ぜひこういう時間軸の観点からの認識も共有していただいた上で、ここでわれわれがひるむわけにはいかないということを、ぜひ認識を共有させていただければありがたいと思います。

 もう皆さんのアンケート結果等々、拝読をさせていただいておりますが、本当にごもっともなことがいっぱい書かれています。ぜひ、きょうはさらに忌憚(きたん)のないご意見をいただければ幸いであります。

 日比君の名前がよく出ますが、私は愛知県ですから、愛知県の県連代表もやっておりますので、去年の1月・2月は急遽立った参院の2人目の候補者をどうやって何とか勝負に持っていくかということで、日比君といろいろ打ち合わせをしていました。急に顔を見なくなったなと思ったら、1カ月くらいして闘病生活に入ったとお聞きしました。その後、いったん病院から外出して名古屋市会の市議団の部屋に来ている時にお会いしましたが、今から思えばもう亡くなる1カ月ちょっと前だったと思いますが、気丈夫に明るく振る舞っていた日比君の顔が思い出されます。こういう志半ばで残念ながら政治の世界から身を引かざるを得なくなった、そうした仲間のことも思い至りながら、ぜひ今後も、繰り返しになりますが、ひるむことなく前進するために、皆さんにはご協力いただきたいと思います。

 民進党、大変厳しい局面ですが、きょうの皆さんのご意見もしっかり拝聴して、再生に向けてさまざまな改革に取り組ませていただきますので、ご協力をお願いしてごあいさつに代えさせていただきます。