民進党は7日夕、党の今後の在り方に関する地方組織幹部との意見交換の一環で近畿ブロック(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)広聴会を京都市内で開いた。党本部から増子輝彦幹事長、「党の戦略・組織・運営に関する改革本部」(本部長・大塚耕平代表)の中川正春検討会座長、篠原孝選挙対策委員長が出席し、ブロック内国会議員として平野博文大阪府連代表・衆院議員が出席した。
増子幹事長は冒頭のあいさつで、「先の衆院選では、皆さんに大変なご迷惑をかけたことをおわび申し上げる。本来であればこういう状況になるはずがなかったなかでの総選挙で、衆院は3つに分かれてしまった」と府県連幹部らに陳謝したうえで、「これまでブロック広聴会を10カ所で開いてきたが、今日の広聴会では『党の戦略・組織・運営に関する改革本部』の中間報告のたたき台を皆さんに出させていただいている。これに基づいて皆さんのご意見をお聴きしたい。今までのブロック広聴会とは違った意味で、皆さんから前向きで建設的なプランやメニュー、アイデアを出していただければありがたい」と、活発な議論を求めた。
各ブロックから出された主な意見は次の通り。
- 県内の自治体議員は、基本的には現状の民進党の地方組織を守ってやっていくという心合わせができている。
- 全国的には厳しい状況だが、県内には民進党の支持層がそれなりにある。しっかりと立て直していきたい。
- 地方組織を残すという党本部決定に従い、総支部長を探している状況だが、運営面で非常に不安が残る。
- 統一自治体選に民進党の公認で出るかというと、その時には多くの者はどこかに行ってしまっているかもしれない。
- 解党するべきではないか。
- 民進党で選挙を戦えるという状況が作れるのかどうか。これからの党が、主体性をもってどういう方向性に進むのかが問われている。
- 総選挙に候補者を立てようと全力でやってきたが、1人も立てられなかったことは大変悔しかった。
- 何のために、何を目標に戦っていくのかをアピールしていかなければ党勢回復はできない。厳しい中、旗を掲げてくれている仲間が気持ちを込めて戦える目的を定めてほしい。
- 次の統一自治体選で、民進党の旗で勝てる見込みがない。
- 総支部長のなり手がいない。今後、民進党が何をするのか。
- 県内のヒアリングでは離党という話は聞いていない。前向きな意見だがそれが本音かどうか。実際はみんな不安を持って見ている。
- 統一自治体選では、立憲や希望と、友党という柔らかいものではなく、しっかりと調整できる体制を本部として立ててほしい。
- もともと自治体議員が少ない。党本部の方針には最大限従ってやっていきたいが、党員・サポーター集めに苦労している。
- 立憲や希望と仲良くしてもらうのはいいが、接着剤では弱いのではないか。強烈に色を出してもらわないと。
■増子幹事長ぶら下がり記者会見
会議後記者団から感想を求められた増子幹事長は、「わが党にとっては全国で最も厳しい地域の一つ。先の総選挙についてのさまざまな厳しい意見を率直に頂いた。維新との関係をどうするのか。今後この党はどうするのか。解党するべきなどといった厳しい意見、新しい党を作れという意見もあった。この組織を大事にしながら新たな気持ちでやっていくという意見もあれば、厳しいという意見もある。さまざまな意見を受け止めて、今後の党の在り方についての参考にさせていただく」と答えた。
中間報告のたたき台を示しての広聴会だったことについて、「ローカル政党もいいのではないかというたたき台を示した。すでに作っている県もあれば現実的に難しいという意見もある。選挙を控えている自治体議員の皆さんも、どういう形が一番いいのかということを、この『たたき台』がしっかりとした『報告』になる段階で判断していただけるのではないか」と述べた。
解党すべきとの意見が出たことに対しては、「仮に解党したとして、ではどうすればいいのか。新党を作ったとして皆さんに参加してもらえるのかとボールを投げ返した。それに対する答えはさまざまだ。一つの考えとしては受け止めたい」と答えたが、「白紙の話で、そういうことが決まったことではない」とも念押しした。
維新との関係については、「基本的に維新とは今のところは一線を画している。現時点で維新と連携する立場にはない」と答えた。