民進党・希望の党による「働き方改革検討のための合同会議」(石橋通宏参院議員=民進と岡本充功衆院議員=希望が共同座長)の第5回会合が13日夕、国会内で開かれた。前回の議員間討議で民進・希望の案をまとめるにあたり検討の必要性が提起された(1)時間外労働の割り増し賃金率、労働法令の罰則、インターバル規制等に関する日本の現行制度と国際比較(2)昨年の民法改正に伴う賃金等請求権の消滅時効の在り方と検討状況――に関して厚生労働省からヒアリングし、意見交換を行った。
会議後に記者団の取材に応じた石橋共同座長は、昨年の民法改正に伴う賃金等請求権の消滅時効の在り方に関して、「もともと民法で1年というところを労働基準法115条で2年と定めていたのが民法は昨年の改正で5年になる。2年後の施行だが、これに伴って労働者の賃金等の請求権をどうしていくかについて厚生労働省で検討会が立ち上がり議論が始まっているので、説明をいただいた」「経営者・使用者にとってはこれまで2年だったのが民法に合わせて5年になると、支払うべき賃金が払われていなかったときに使用者側にとって以前よりも大きなペナルティになる。働き方改革にも大いに関係してくる」と、この問題を重視する考えを示した。
厚生労働省の担当者は、今年の夏ごろをめどに検討会で論点整理していくと回答。参加者からは、「働き方改革の関係から言えば少し時間軸が遅すぎるのではないか、もともと民法改正に至る議論はずっと行われてきたわけで、昨年法改正ができたことを考えれば、本来もっと早くこの議論はしておくべきだったのではないか」とする声が上がった。
石橋座長はまた、時間外労働の割り増し賃金率、労働法令の罰則、インターバル規制等に関する日本の現行制度と国際比較等に関する資料については、厚労省から示された内容が不充分であったことから再提示を求めたという。
意見交換では、なぜ日本にはサービス残業があるのか、EUではあるのか、それはどういう背景によって生まれるのか、歴史的に平均の年間総労働時間にEUや日本とでは大きな差があるのかなど、「働き方改革」を必要とするそもそもの議論も行われたが、厚生労働省からは納得いく回答が示されず、あらためて精査していくことになった。
民進・希望案をまとめる時期については、「今後数回議員間討議を重ねてから」と見通しを述べた。