枝野幸男幹事長記者会見

2016年3月29日(火)17時30分~17時59分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=Uh5BE118tpk


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○民進党幹事長就任に当たって

【幹事長】
 民進党の幹事長としての初めての会見です。改めまして、民進党で幹事長を拝命いたしました枝野でございます。
民進党の幹事長会見は毎週火曜日を定例とさせていただきます。火曜日は隔週で常任幹事会の定例日で、常任幹事会が15時からある週は、常任幹事会の終了後16時をめどに。ない週は15時ということでやらせていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
 一昨日の結党大会を受けて、民進党として順調なスタートを切れたと思っております。昨日は執行役員会のメンバーに山尾志桜里政調会長を加えて、有楽町で街頭演説を行いました。「民進党はじめます。」という全国キャンペーンの第1弾であります。私の総支部も含めて、地域によっては既に事実上先行して、早いところでは27日の夕方から街頭宣伝活動を行っておりますが、本日から4月11日まで、まず第1弾として全ての都道府県連と総支部で「民進党はじめます。」ということで街頭宣伝活動を行うよう、私の名前で指示を出させていただいているところであります。まずは党名を浸透させる、多くの皆さんに認識していただくということに向けて、全党挙げて取り組んでまいりたいと思っております。
 幹事長として岡田克也代表をしっかりと支える役目を果たしていきたいと思っておりますし、大会で私が提起させていただきました活動方針どおり、夏の参議院選挙、そしてそれに先立つ二つの補欠選挙で勝利をできるよう、また、いつ解散総選挙があってもいいように、選対委員長にご尽力いただいて候補者をできるだけ早く、さらに擁立していきたいと思っております。
 党大会、そして昨日・今日と街頭活動、あるいは昨日・今日と幾つかのところへのあいさつ回り等を一緒にさせていただきました。今井雅人幹事長代理とは、それぞれ民主党・維新の党の幹事長として、かなりこの間、ある意味では一緒に仕事をしてまいりました。江田憲司代表代行とはあまりそういった機会がなかったのですが、ここ3日一緒に仕事をさせていただいているところでございます。
 今までは、あえて言えば私も今井さんも向かい合って仕事をしておりましたが、同じ側に座って、同じ方向を見ながら仕事をする中では、今日もあいさつ回りなどの相手のいる場での会話や、その合間での会話その他、全く違和感なく、だいぶ前から一緒にやっているかのような感覚で江田代表代行とも今井幹事長代理ともできているなと思っております。
 今までは向かい合っていましたから、お互いにいいところも悪いところも向かい合っていればよく見えるという構造でありましたが、同じ方向を向いて仕事をすれば、お互いに足りないところは横に並んでいるので見えないと。その分、横に並んでいるので気配りが足りなくなることがあるかもしれないけれども、そこは同じ方向に向かって進んでいくわけですから、ということで、立ち上がり執行役員会メンバー、あるいは幹事長室の中心メンバー、ここまでのところうまくやっていけるのではないかなと思っております。
  以上、結党に当たっての発言でございます。

○平成28年度予算の問題点について

【幹事長】
 国会のほうは、先ほど参議院本会議で新年度予算が成立いたしました。
 政府は今年度の補正予算、そして新年度の予算、この国会で二つ予算を上げたわけでありますが、「これで景気を支える」と繰り返してこられましたが、残念ながらそれらの効果は全く見えておりません。安倍政権の予算に景気浮揚効果がないことは明らかであると思っております。
 1月の株や円の乱高下の段階で、こうした状況を踏まえれば、もう一度予算を組み直してでも、若干遅れてでも、やるべきではないかということを私は民主党の幹事長としてこの場で申し上げたことがあったかと思っておりますが、一部からは早くも補正予算みたいな話が飛び交っている状況であって、いかにこの新年度の当初予算が間違ったものであったかということを自ら認めざるを得ない状況である中での成立であるということを、私は強く指摘しておきたいと思います。
 また、予算審議の中で安倍総理は「景気の好循環」を繰り返しておられましたが、本日発表になった家計調査でも、うるう年効果を除けば、消費は前年同月比でマイナス1.5%、6ヵ月連続でのマイナスであります。企業の収益改善から所得向上・消費拡大というサイクルは全く回っていない。アベノミクスの破綻は明らかであります。
 また、喫緊の課題である待機児童問題についても政府予算が無力であることは、山尾志桜里議員等の質問によって、この国会審議を通じて明らかになってきているところであります。政府はあわてて「緊急対策」と称するものを取りまとめましたが、全くお粗末なものであります。既に山尾政調会長がコメントを出しておりますが、見かけの待機児童を減らすための詰め込み対策であり、保育の質あるいは抜本的な解決に向けては何も言っていないと言わざるを得ません。
 民進党として、まさに税金の使い方をより効果的なところに変えていくことを、今後もしっかり提起をしてまいりたいと思っております。


■質疑

○前半国会の振り返りと後半国会に向けての抱負について

【毎日新聞・飼手記者】
 前半国会では、安倍総理の、当時の民主党に対する挑発的な答弁や、子育て支援に代表される「抱きつき作戦」というか、そういうものが目についたように思う。前半国会の首相答弁に対する評価と、それを踏まえて後半国会、どのように戦っていくか伺いたい。

【幹事長】
 攻撃的な答弁も、相当いらついていらっしゃるのだろうなということを想像できる状況かなと思っておりますし、「抱きつき」も抱きつきになっていない。まさに待機児童の問題等が典型で、抱きつこうとして、かえって本質がわかっていないことが少なくとも当事者・関係者の皆様には露呈する状況になっていると思います。
 一個一個の波及効果の広がりは大きくないかもしれませんが、きちっとこうした闘いを続けていけば、やはりそうしたそれぞれの問題に関心を持っている皆さんの間では、「やはりおかしいよね」ということは着実に深まっているし、さらに広がっていくと思っています。

○野党4党連携協議について

【朝日新聞・高橋記者】
 昨日共産党の山下書記局長が、衆院選に向けて候補者擁立作業を始めると述べた。それについての受け止めがあれば伺いたい。

【幹事長】
 それぞれの党にそれぞれの党の立場があるわけですから、候補者を擁立するということについてコメントする立場にない、と申し上げるべきではないかなと思っていますが。

【朝日新聞・高橋記者】
 これまでの5野党の幹事長・書記局長の協議では、共産党としては衆院選の協議に入りたいと。一方で枝野幹事長からは、協議に入る状況ではないと。そうした一連のやりとりが今回の擁立に至ったと思うが、今後の5野党の連携へ影響があるかどうか伺いたい。

【幹事長】
 山下さんの会見などを聞くと、5野党(民進党の結党で)が、4野党になったが、先月23日の確認についての認識がちょっと違っているのかなと思っています。ここでの合意は、「(国政選挙等)あらゆる場面でできる限りの協力を行う」と。「具体化に際しては、各党や各地域の立場と事情を相互に配慮しつつ、最大限の効果を生じるように努力する」ということです。
 各党の事情、地域の事情、そういったことを総合的に判断すると、あるいはまた私どもなりに他党の立場を配慮して考えると、今の段階で衆議院選について、「できる限りの協力」で何ができるのかということについて、相当ハードルが高いという認識があります。その状況で協議に入るというのはかえって無責任なことだと思っておりますが、これは山下さんも会見で、「できる限りの協力に向けて相互にさらに努力できることはないか」。これは私も申し上げていますが、その模索をしたいと思いますが、衆議院選挙は政権選択であるということ、それから選挙制度が違うということを考えると、ここまで進んできた参議院の1人区とは相当事情が違うということを、私どもなりに他党の事情も配慮しながらやってきているつもりでありますので、逆にそれぞれの事情で候補者を擁立することについて何か申し上げる立場ではない、ということを申し上げます。

○大阪都構想について

【東京新聞・宮尾記者】
 代表代行に就任された江田憲司さんは去年、大阪都構想をめぐる住民投票で敗れたことをもって維新の党の代表を辞任した経緯がある。さきの大阪の府知事選と市長選のダブル選の時には、旧維新の党と民主党は立場が分かれたと思うが、その辺は今回合流する際に折り合いはどのようにつけたのか伺いたい。

【幹事長】
 過去のいろいろなことについては、例えば私自身は民主党政権の中でも幾つもの大事な仕事をお預かりしたという立場から、その反省・教訓は忘れてはいけない、新しい党になっても忘れてはいけない。こういう“忘れてはいけないこと”もしっかりある一方で、しかし、過去にこだわる必要もないこともあると思っています。大阪都構想という、一地方の選挙における見解の違いが、新しい党をつくるに当たって障害になったり問題になったりとは全く考えていません。

【東京新聞・宮尾記者】
 大阪維新の会は、まだ大阪都構想を完全に引っ込めてはいないと思うが、今後、大阪でこれが政治課題、選挙の争点になった場合、民進党は旧維新と旧民主で意見が分かれることはないということか。

【幹事長】
 一昨日決まりました綱領、そして新党決定に当たって確認している基本政策、これに基づいて、必要に応じて党内でしっかりと協議し、結論が出たら一致して対応できると思っています。

○18歳選挙権・若者の投票率向上に向けた取り組みについて

【フリーランス・安積記者】
 民主党時代に幹事長は、昨年12月23日に「民主党ハイスクール・1時限目 渋谷」などを開始し、(今月)26日の「さらっち×えだのん 原宿街頭インタビュー」までずっと行われていたが、これを続ける予定はあるか伺いたい。

【幹事長】
 新たに「局長」という形になりますが、青年局長も既に内定して内示をしております。従来民主党青年委員長をやっていた黒岩宇洋さんにも幹事長部局で近い分野の仕事をしてもらおうと思っていますので、新しい青年局長と黒岩さんのところで相談をしていただいて、継続性を持ったことがいいことについてはやっていきたいと思っています。
 特に18歳選挙権絡みで、政治に関心のある18歳・19歳の皆さん、あるいは若い皆さんに対するメッセージ発信ができる仲間がたくさんいると思っていますが、そうではない、政治にそもそも関心を持っていない若い皆さんにどう関心を持っていただくかということについては、私が相当頑張らないといけないなというのは、従来と変わっていないと思います。

【フリーランス・安積記者】
 これまでのこの企画は「民主くんプレゼンツ」の企画という位置づけだったが、今後、「民主くんプレゼンツ」というのは、どういうふうになるのか。

【幹事長】
 とりあえず、今「民主くん」が名前を変えるかどうか、ご本人の判断を待っておりますが、いずれにしても民主党が民進党という新党へとバージョンアップした以上は、少なくとも現状で直ちに民進党の公認になるのは考えられないかなと思っています。党として主催することが「民主くん」あるいは「民主くん」が名前を変えた「なんとかくんプレゼンツ」という形にはならないだろうなとは思いますが、「民主くん」は私が公認をする前から、いろいろと民主党のイベントに関わってきておりますので、非公認で関われる部分についてはご協力をいただきたいなとは思っています。

○安倍政権の新たな経済対策について

【毎日新聞・飼手記者】
 予算が成立したばかりだが、安倍首相は新たな経済対策を検討しているという声があり、これについては消費増税の先送りの可否や衆参ダブル選を絡めて考えているようだ。この経済対策を政局的に使うというやり方については、幹事長はどのようにお考えか。

【幹事長】
 この1月に国会が召集されて、補正予算を通し、そして4月からの本予算を通し、なおかつ通った直後に補正予算みたいなことを含んだ経済対策だなんて言っているということは、いかにこの間の経済運営が間違っていたか、経済認識が間違っていたか、予算が的外れなものであったか。まずそれをお認めにならないと、すぐに経済対策を検討するなんていうことは、何を言っているんだという話だ。

○安保関連法廃止法案の審議について

【毎日新聞・飼手記者】
 安保関連法の関係だが、自民党の谷垣幹事著が本日、「時間をかけて審議したので、今さら蒸し返す必要はない」と発言した。廃止法案を提出しているが、この発言に対する受け止めを伺いたい。

【幹事長】
 成立の時点でも安倍総理は、「まだ国民の理解を得られていないので、十分に説明したい」と。誰が言ったのでもない、安倍総理が言ったのです。まさに廃止法案を国会で審議すれば、何よりもの国民に対する説明の場ではないですか。さらに、我々はあの時に出していた対案、あの時に間に合わなかったものまで含めて国会に出しているわけですから、さらに議論は深まる。国民にお伝えをする、説明をするという意味からは、我々が条件を整えてあげているのですから、それを活かして国民に説明していただきたい。それ自身が、強行した時の安倍総理のお約束であると申し上げたいと思います。

【毎日新聞・飼手記者】
 本日、おおさか維新の会の会見で、廃止法案について、民主党などから要請があればすぐに「つるし」を下ろして審議入りする環境づくりはするという発言があった。つるしているのはおおさか維新だけという状況だが、要請するという考えはあるか。

【幹事長】
 まず申し上げておきたいのは、我々が求めているのは「つるし」を下ろすことだけではありません。「つるし」を下ろしてしっかりと審議をすることです。「つるし」を下ろして、審議もしないで採決するというような話だったら論外です。我々は、「つるし」を下ろして審議をしろと求めています。既に求めています、議運の場で。だから、その求めに応じていただいて、下ろしてしっかりと実質審議をしていただければいいのではないでしょうか、ということがまず一つです。
 その上で、もう一つは、実は残念ながら、あの法案の提出以降、本日の午前0時、この法律は施行されたことになっております。実はあの法案は施行される前の状況を前提としていましたので、これは他の3党とも協議しなければいけないと思っておりますが、同じ内容で少し手を入れたものをお出ししなければならない状況だと思っています。改めて、その施行後の状況に則したものを、この部分についてはおそらく4党で提出できると思いますので、4党で出したら速やかに実質審議に入っていただきたい。その時ご協力いただけるでしょうね、と申し上げたいと思います。

○安保関連法の施行について

【NHK・花岡記者】
 安保関連法について、ちょっと時間がたってしまったが、改めて本日0時に施行されたことについて受け止めを伺いたい。

【幹事長】
 これについてはたしか代表が談話を出していたと思うので、基本的には重ねて申し上げるようなことはありませんが、とにかく立憲主義の破壊というのは、個別の政策とかイデオロギーとか以前の問題であるということを私の立場から強調しておきたいと思っています。権力を縛っているルールを権力者の側が勝手に変えていいだなんていうそんな社会は、どんなイデオロギーだろうが、政策だろうが、どこに立とうが、そんな社会は人類にとって望ましい社会ではない。立憲主義を揺るがすということはどんな立場からでも許してはいけない。その禁じ手をやったと私は怒っています。

○衆議院北海道5区・京都3区補欠選挙について

【共同通信・比嘉記者】
 民進党になって改めての、京都3区と北海道5区の補選の位置づけというか、意気込みを伺いたい。

【幹事長】
 京都3区は、比例当選をしている現職が出るということでもありますし、自民党が逃げたわけですし、選挙になった経緯・事情等を考えても、ここはまず間違いなく勝たなければいけないと思っています。ただ、こういったものは油断してはいけないと思っていますので、しっかりと戦い抜かなければいけないと思っています。
 北海道5区は、逆に言うと選挙に至る経緯・事情から考えるとなかなか厳しい選挙でありましたが、(相手候補の)背中の見える、あるいは手が届いてもおかしくないくらいのところまで来ているという認識をしています。おそらく自民党と公明党は相当いわゆる締め付けを始めているようでありますが、私らは同じ土俵で戦っても、なかなかそこの部分だけでは勝てないと思っていますが、これは公示されて本番になっていけば候補者本人の露出が高まります、双方とも。候補者本人が比較されることになると思います。そうなれば絶対に負けない。圧倒的にいい候補者だと自信を持っていますので、いかに本人を多くの有権者の皆さんに知っていただくか、それが勝負だと思っています。

【共同通信・比嘉記者】
 北海道の場合は野党共闘というか、野党で自公に対抗するという意味でも試金石になる選挙だと思うが、それを踏まえて党本部としてできるバックアップというか、そういうものについてはどうお考えか。

【幹事長】
 野党による一本化というのは、もちろん選挙に大きな影響を与える、安倍政権の暴走を止めるために大きな意味を持っていることではありますが、まさに選挙の構造・枠組みが決まっている中ではそのこと以上に大事なことは、この選挙に勝ち抜くには何が一番重要かと。一番重要なことは、候補者を一人でも多くの有権者に知っていただくこと。ここまで来ると、何か政党の枠組みの話よりも、そのことが大事だと私は思っていますので、そこに向けて党本部として最大限やっていきたい。
 野党によって一本化しているということは、たぶんここまで追いついてきたことについてもちろん大きな意味があったと思うのですが、ここから追いつき追い越していくためには、その政党の話よりも、本人・候補者がどういう人で、どういう経歴で、どう考えていて、どういう見識があるのか、こここそが勝負どころだ、そこがズレないようにしなければいけないと、むしろ思っています。

○社会保障と税の一体改革に関する民進党の考え方について

【「ニュースソクラ」・土屋記者】
 今日、岡田代表は民法のテレビ番組で、消費増税問題について、財政再建論者の立場からかとは思うが、歯切れの悪い、そのままやってもいいのではないかと受け取られかねないような発言を終始しておられた。民進党として、安倍政権が見送りに傾く中で、どういう考えでいらっしゃるのか。どういう方向を向いているのか、党内論議も含めて幹事長の考え方を伺いたい。

【幹事長】
 これは民主党と維新の党の時代に、先月公表している考え方どおりで、新しい党として変わりはありません。
 しかし、この件については、民進党がどう考えているかではなくて、安倍総理の過去の発言との整合性、ここが一番問われなければならないことなのです。野党が何を言うかではないですよ。安倍総理は、一昨年11月の消費税引き上げ延期を表明した会見で力強く「再び延期することはない」。そして「次の引き上げについては、景気判断条項を付すことなく確実に実施いたします。3年間、3本の矢をさらに前に進めることにより、必ずやその経済状況をつくり出すことができる。私はそう決意しています」と言い切ったのは安倍晋三さんなんです。その発言と、現状との関係はどうなっているんだと。このことをまず問いただすことが何よりも大事ではないか。
 その上で、今の経済状況とか、あるいは据え置き税率というとんでもない、これも禁じ手を前提としているというようなことではたしていいのかということが次に問われるのであって。まずはこの安倍総理、全く言っていることと報道されている、やろうとしていることは180度違う。大うそつきだと、もし報道されているとおりならば。そのことこそ問われなければならないと私は思っています。

○山尾政調会長への期待について

【読売新聞・上村記者】
 新党の人事で伺いたい。山尾政調会長、今回注目された人事となったが、幹事長自身として期待する役割について改めて伺いたい。

【幹事長】
 山尾政調会長をお決めになったのは岡田代表です。人事権者でない私が何か申し上げるべきではないのかもしれませんが、山尾さんご自身も、当選回数が少なかったり若かったりということで、「本当にいいのだろうか」というようなことをおっしゃっていました。ただ私も、野党第2党時代の民主党ですが、33歳・当選2回で政調会長をやらせていただきました。その後、野党第1党になった民主党では、当選3回・38歳でやらせていただきましたので、それに比べれば人生経験を長く積んでいるのだから、全然心配することはないと山尾さんに申し上げました。
 それから、こういう抜擢人事をした時は、本人がなにか猟官運動でもして、手を挙げて「やりたい、やりたい」と言ったわけでは全然ないわけですから、山尾さんがうまくいかなくても、万が一そんなことがあっても、それは選んだほうが悪いのだから、自信を持ってやりなさいということを、生意気ながら、若干似たような立場を経験したことがあるので、申し上げました。その当時の私よりもよっぽど仕事がこなせる人だと私は確信しています。