党役員会見に関する基本的な方針について

大塚耕平代表記者会見

2018年4月19日(木)15時30分~15時54分
編集・発行/民進党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=27EqN5Vd0X8


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○セクハラ報道での次官辞任等、財務省で相次ぐ不祥事について

【代表】
 冒頭2点申し上げたいと思います。
 まず1点目は、財務省事務次官の辞任でありますが、遅きに失した辞任であると考えます。事案が明らかになった段階で、即刻辞任に値するような案件であったにもかかわらず、むしろ、記者クラブの皆さんよくご承知のとおり、圧力をかけるかのごとくの調査方針を打ち出して「事実無根である」という主張を展開したわけでありますが、言語道断と考えております。
 財務省の信頼は地に落ちた、という状況でありますので、財務省解体を本当に議論しなければならないような状況になりつつあると思っております。
 その状況を、少しでも国民の皆さんのご理解を得られる方向で改善したいと思うのであるならば、既に時期を逸しておりますが、財務大臣も即刻辞任をするべきだと考えております。

○日米首脳会談について

【代表】
 もう1点は日米首脳会談であります。大変な大デリゲーションでアメリカに行っているわけでありますが、しかも、長時間議論したということのようであります。帰国後速やかに、どのような話し合いが行われたか、総理には国会並びに国民の皆さんに説明を求めたいと思います。
 まだ全貌を詳細に分析しておりませんが、共同会見などでも、トランプ大統領からかなり厳しい発言も出ているようでありますので、政府が言うように本当に日米が蜜月関係なのか、それともかなり厳しい状況に追い込まれているのか。こういった点についても説明が必要だと思います。
 安倍さんには、昨年11月の代表質問のときから申し上げているように、予算委員会でも申し上げましたが、「自国の利益を犠牲にして他国の利益を守る国はない」、残念ながらこれが国際社会の現実ですから、アメリカに何かを要求すればやはりその見返りを求められる可能性が高い。また、アメリカが日本と合意するということは、それはアメリカにとって何か利益があると思っているから合意をする。この外交の鉄則をよくよく安倍総理にはかみしめていただいて、一体このたびの日米交渉が日本にとってどのようなプラスマイナスがあったのかということをしっかり説明していただきたいと思います。


■質疑

○セクハラ報道での次官辞任等、財務省で相次ぐ不祥事について

【TBS・小林記者】
 福田財務次官の件について伺いたい。きのう夜中にテレビ朝日が記者会見をして、テレビ朝日の女性社員がそのセクハラの被害者だったことを明らかにした。一方で福田次官はいまだ、けさになっても、「その事実はない」と否定している。これについての受けとめをお願いしたい。

【代表】
 私は、この会見で申し上げたか、ほかの場で申し上げたか、この件が明るみに出たときに、「福田さんがご自分は潔白だとおっしゃるならば、みずから公開された音声テープの声紋鑑定をしっかりやるべきだ」と申し上げました。いまだに事実関係について完全に言い分が違っているということであるならば、やはりそこのところは財務省も、あるいは辞職された次官みずからがしっかり科学的検証を行われたらいかがでしょうか。
 このまま双方が100%言い分が違うという状態を放置してこの論争が続くようであれば、おそらくその被害者の記者の方も心理的に大変圧迫を受け続けるでしょうし、そして財務省もどんどんダメージが深まっていきますので、今申し上げたような対応をとられることをお勧めしたいと思います

【「FACTA」・宮嶋記者】
 私がよくわからないのは、女性記者がセクハラに遭ったら、何でその新聞社なりテレビ局がちゃんと抗議をしないのかというのが一番わからない。結局、「財政研究会」という当局と記者クラブの癒着の中で、女性がやはりそういうふうになっていると、私のようなその世界のアウトサイダーの人間からしたら、そう思う。本来問われるところはそこもあるわけで、そういう「財政研究会」みたいなものが問題なのではないか。
 それともう一つ、これは私見だが大塚さんに伺いたいのは、この問題で財務省を解体するということなのか。本来、内閣人事局があるのだったら外から人材を入れるとか、もっとやることがあるのではないかと私は思うが、どうしてこの問題で解体ということになるのか伺いたい。

【代表】
 後者からお答えします。福田次官の問題だけでそう申し上げているわけではなく、皆さんご承知のとおり、そもそも森友の件で公文書を改ざんした。もう、これは前代未聞、許されがたい事態であります。もうその一事をもって解体論が真剣に議論されるべきだと私は思っています。
 そして、この森友の件で、私自身も予算委員会あるいは財政金融委員会などで申し上げておりますが、当時の理財局長が独断で改ざんを指示した、ないしは、今まだ誰が指示したということは明確にはなっていませんが、そういう文脈で語られています。財務省という役所の構造上、その時点での事務次官、官房長、そして筆頭局長である主計局長が知らないわけがありません。そういう意味では、当時主計局長であった福田さんは森友の問題にも関与していた蓋然性が高いと私は思っていますし、その当事者が、これだけ問題が紛糾している最中にこのような事態を起こしていたということですから、組織のいわば責任者がこういう状況になっているわけですので、森友の改ざんだけでも解体論は語られていい上に、おまけがついたので、これは解体論を議論せざるを得ないと思います。
 それから1点目の記者クラブ問題は、これはなかなか悩ましい問題であります。記者クラブ問題は記者クラブ問題として議論をするべき問題だと思いますが、だからといって今回のテレビ朝日の女性記者の方の事案を、「記者クラブ問題があるから、必然的にこういうことが起きても仕方がないんだ」という文脈では語れないと思います。
 記者クラブ問題は、それはそれで私もさまざまな課題があると思っています。

【ロイター通信・宮崎記者】
 先ほど、麻生大臣は即刻辞任すべきとおっしゃったが、一方で国会の日程もタイトになっている。審議に応じる条件として麻生大臣の辞任を挙げられるか。

【代表】
 審議に応じる条件として挙げるつもりはありません。審議は審議で、応じるべきときには応じていきたいと思います。
 しかし、麻生大臣は、佐川さんの「適材適所」発言から始まって、そして包括的な意味での監督責任もありますし、そして今回の福田事務次官の対応のこの失敗というようなこと、もろもろを考えると、やはり審議云々とは関係なく、そろそろ身を引かれるべきだと思います。

○米英仏によるシリア攻撃について

【「フランス10」・及川記者】
 日米会談で当然シリアの問題が出てくると思うが、塩素ガスが使われた問題で、ノーベル平和賞受賞団体の化学兵器禁止機構(OPCW)が14日から現地調査するのに、13日に米英仏はシリアを空爆した。せめて査察・調査の結果を待ってから攻撃するべきだったのではないかと考えるが、大塚代表はこの米英仏によるシリア空爆をどのようにお考えか。

【代表】
 まず、化学兵器を含む非人道的な兵器の使用、そもそも兵器の使用全般も含めて、許されざることだと思います。そのことはシリアも大いに問題だ、ということを申し上げた上で、一方、今回、米英仏がその化学兵器使用に関して一定の調査の結果をもっての国連決議などがない中で攻撃に踏み切ったことについては、憂慮すべき問題も含んでいると理解します。
 そして、及川さんがおっしゃったようにOPCWの調査の日程直前というのは、これはその情報を米英仏の関係者がどのように捉えていたか。やはりこれを一回調査する必要があると思います。知っていたのか、知っていなかったのか。そういうことも含めて調査する必要のある項目だと思います。

○新潟県知事辞任・新潟県知事選挙について

【毎日新聞・影山記者】
 米山新潟県知事が昨日、辞任を表明された。60日以内、6月にその後任の知事を選ぶ選挙が行われると思うが、前回、米山さんが当選した選挙で、民進党は自主投票ということで、ほかの野党3党が推薦して米山さんが当選した。今度の知事選に現時点で民進党としてどう臨まれるか、対応方針が決まっていれば伺いたい。5月、6月なので、新党に移行しているかもしれないが、現時点でのお考えを伺いたい。

【代表】
 現時点では、やはり野党統一候補が両立できれは望ましいと思っています。ただし、どのような方が立候補していただけるのかということがまだ全くわからない中ですので、現時点で方針ということはありません。ただ、野党統一候補が擁立できれば、それは望ましいと思います。

【毎日新聞・影山記者】
 知事選では原発再稼働なり原発政策への態度が一つの争点になるかと思うが、これに関しては野党は足並みをそろえて、原発再稼働には慎重であるとか、原発はなるべく減らしていくとか、そういうことで原発政策に関しては他の野党と一致できるとお考えか。

【代表】
 基本的には足並みはそろえられると思います。私たちも、今、新党に向けて政策協議をやっている最中ですが、「2030年代・原発ゼロ」を目指す。そして規制委員会のチェックがしっかり行われるということを前提に、規制委員会の規制をクリアできるということに加えて、周辺住民の避難計画などがしっかりプランニングされている。また、実行可能なものである。こういったさまざまな点を乗り越えない限りは再稼働は認められないという立場ですから、今申し上げました幾つかの点を踏まえれば、十分足並みはそろえられると思っています。

○今後の国会対応について

【NHK・稲田記者】
 先ほどの日米のところでも若干言及があったが、安倍総理大臣が帰国したら国会でも聞きたいということだったが、一方では野党各党が出した要求に対して自民党はほぼほぼゼロ回答という形で、野党第1党の立憲民主党としては「今後の日程協議に応じられない」という形になっている。どういう形で具体的に報告を求めるのか。
 また、福田さんはやめたものの、麻生さんたちはまだ続投の意向を示している中で、今後の国会審議に民進党はどう臨んでいくのか伺いたい。

【代表】
 まず、今後の国会の運びは、たしかきょう16時半から野党幹事長・書記局長会談が行われると聞いていますので、まずは幹事長間の話し合いに委ねたいと思います。
 この局面、これだけさまざまな問題があると、両面あると思います。「両面ある」というのは、さまざまな問題がある中で、こちら野党から要求している要求項目に対してきちっとした誠意ある対応がなければ一切審議に応じられないというのも、一つの考え方だと思います。しかし、これだけたくさん問題があると、これはやはり国会を開いてしっかり一個一個の問題を追及して、国民の皆さんが知りたいと思っている事実についてつまびらかにしていくことも極めて重要なことです。
 その両面をにらみながら今後の国会対応を考えたいと思いますが、まずはきょうの幹事長会談の結果の報告を受けたいと思っています。

○軍事司法制度をめぐる議論について

【「フランス10」・及川記者】
 イラク日報とも関わることだが、もし日本が他国から侵略され個別的自衛権を発動した場合、これは戦争にほかならない。戦争では国際人道法違反としての戦争犯罪が生じることを想定しなければならない。しかし日本には戦争犯罪を扱う法体系が整備されていない。民進党は、軍司法制度を整備する必要があるとお考えか。整備する必要があるとしたら、どのように進めるべきだとお考えか。例えば、もしジブチでヘリコプターが民家に墜落して何人もの死傷者を出した場合、罰する法体系がない。だから軍司法制度をどのように整備していくべきだとお考えか、ご意見を伺いたい。

【代表】
 仮定の話にはお答えできませんが、原則論を申し上げると、個別的自衛権は、これは国家の自然権として認められているものでありますので、その要件が整う中での個別的自衛権の行使ということは論理的にはあり得ることだと思います。しかし、日本は人道法等の国際法規を守るということが大前提ですから、人道法に反するようなことは起こさないという前提で考えています。
 そして、いわゆる軍法等の体系については、日本は他国で軍事力を行使しないというのが私たちの主張ですから、そういうもとでは今の体系では刑法の法規が国内では適用されますが、海外での事案では刑法が適用されないわけであります。刑法が適用されるような事案を起こさないということが前提になっていますので、現時点ではそのように考えています。

○地方議員年金を復活させる関連法案への対応について

【毎日新聞・影山記者】
 自民党と公明党が、地方議員の厚生年金加入を可能とする、事実上、地方議員年金を復活させる法改正を議員立法で今国会にも提出する方針でいる。これは地方議員のなり手不足を解消するという意味合いもあるようだが、民進党として、その賛否を含めてどういう立場で臨まれるか伺いたい。

【代表】
 これはまだ党内で十分に議論していませんが、皆さんご承知のとおり、国会議員の議員年金も廃止し、それに連なって数年遅れで地方議員の皆さんの議員年金も廃止しました。そのことによってなり手不足的な問題が起きているということが事実かどうかということを、まず確認する必要があると思います。そして、それが事実であるとすれば、その対処方法が地方議員の皆さんの議員年金復活ということだけなのかどうかということを議論する必要があると思います。
 というのは、やはり海外などでは、議会の夜間開催とかいろいろな工夫をすることで、実際には職業を持っている方が議員を、いわば仕事をしながら担うという例もあるわけです。全ての自治体でそれが可能とは思いませんが、議会の開催日数とか、それから自治体の地理的な広さとか、いろいろなことを考えると、いろいろな工夫でそのなり手不足を解消するアイデアというのはあると思います。
 十分にそういうことを検討した上での結論とはちょっと思えませんから、その点を我々はしっかり議論していきたいと思います。