民進党「TPP交渉過程解明チーム」は4月1日の会合に政府が提出した「西川委員長が出版するとされる書籍『TPPの真実』への政府の関与について」(以下4月1日提出資料)に関して、以下の6項目を質問し、12日の会合に文書で回答するよう求めた。
質問事項
(1)先週、緒方議員に対する答弁で森山農水大臣が言及した農水省における作成文書について、可能な範囲で提出願いたい。(不開示部分は黒塗り可)
(2)4月1日提出資料の作成時、石原TPP担当大臣は了承していたのか。現時点では、石原大臣は同資料の内容と同じ認識か。
(3)「TPPの真実」の校正原稿(校正段階の新旧を問わない。以下「ゲラ」という)を、チェックした職員はいないとのことだが、一部「執筆」した者はいないのか。
(4)政府内で「ゲラ」を保有している者はいないのか。
(5)石原大臣は、「ゲラ」に目を通しているのか。
(6)石原大臣は、「ゲラ」を西川委員長本人が執筆したものと認識しているのか。
同チームが12日に開いた会合では、出席した政府の担当者らが、(1)については、「農水省の作成文書について、答弁は行っていない。森山農水大臣が言及した農水省の作成文書については、理事会協議事項と認識している」と答え、(2)から(6)までは、「今後の委員会質疑の場で対応していきたい」などとして、全く回答にならない説明に終始した。
玉木雄一郎座長は、「(2)から(6)については、それぞれに対してきちんとした回答を文書で出すこと。審議中断中に委員会室内でマイクに拾われた、石原大臣と西川委員長の発言についても、しっかりと確認した上で、発言内容についての回答を求める」と要求した。
山井和則国対委員長代理は、「安倍総理や谷垣自民党幹事長は、野党が審議拒否をしているようだがそれは違う。委員会を開くための理事懇談会のセットについて、与党側からは何も言ってきていない。これは与党による審議拒否だ。政府はTPPを通したいが、与党は通したくないということの表れだ」と厳しく批判した。
近藤洋介衆TPP特委筆頭理事は、「われわれは審議をしたい。しかし残念ながら(与党側からは)この時点でも連絡がない。国民の皆さんに対して責任を果たさなくてはならない。不透明な状況で、黒塗りの交渉状況で、このTPPを審議する貴重な時間を過ごすわけにはいかない。政府もぜひ説明責任を果たして欲しい」と述べ、誠意ある回答をするよう政府側にあらためて要請した。