蓮舫代表代行記者会見

2016年4月25日(月)15時00分~15時23分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=oHdnsat2O2g


■質疑

■冒頭発言

【代表代行】
 私からはありません。


■質疑

○衆議院補欠選挙の結果について

【日本テレビ・古谷記者】
 昨日の北海道5区の補選は一歩及ばずという結果になったが、この結果になった要因についてどのようにお考えか伺いたい。

【代表代行】
 非常に残念ですが、敗北は敗北だと思っています。ただ一方で、12万人を超える方達が池田まき候補をご支援いただいた、この重みは大事に受け止めたいと思っています。

【日本テレビ・古谷記者】
 今回、野党側が候補者を事実上一本化したが、この戦い方について、非常に効果があったとお考えか。今後の戦略をどうしていくかもあわせて伺いたい。

【代表代行】
 (他の)野党の皆様方と連携して、できることを最大限やってまいりました。結果として勝利できなかったわけですから、この戦術のあり方は、どうやったらもう一段ブラッシュアップしていくことができるのか、考えなければいけないと思います。

【日本テレビ・古谷記者】
 戦い方として、この戦術は正しいと。

【代表代行】
 例えば、今までの総選挙で言いますと、やはり大きな争点はどうしても経済政策、アベノミクスだけでした。例えば社会保障の充実であるとか、貧困の問題とか、格差の問題をどんなに私どもが訴えても、やはりそれはアベノミクスという経済政策が大きな争点だった。今回の補欠選挙はある意味、今の政権の経済政策が行き詰まっていることもあるとは思うのですが、私どもの候補者が経験したことを政策でしっかり訴えたいという思いもあり、随分幅広い争点ができたと思っています。経済だけではなくて、安保もそうですが、格差あるいは貧困の問題、女性の問題、あるいはDVとか虐待とか、いろいろなものがあって、そういう部分では各政党さんと協力すること、連携することによって、争点が随分広くなったように思えるので、今回の経験は、そういう意味では我々の政策を訴えやすいという部分では一つの結果は出たのだと思います。
 ただ、選挙としては敗北ですので、戦術としてどうだったかというのはもう一度考えないといけないと思います。

【TBS・松本記者】
 戦い方の戦術の部分だが、無所属という戦い方については、よかった面、悪かった面、代行はどのようにお考えか伺いたい。

【代表代行】
 幅広い連携をとらせていただき、結果として無所属で戦いました。
 物量的に、例えば新聞広告や、配るビラの数、あるいは街宣車の台数に制限があり、知名度を高める手段としては無党派には限界があると、率直なところ、感じます。
 ただ他方で、そうした物量ではない部分で、幅広い、我々の政党を支援してくれている人以外の方達にもご支持をいただける一つのきっかけになったと思いますので、いい部分、悪い部分も含めて、今後どういう戦術が夏の陣に向けて有効なのかは考えなければいけないと思います。

【「ニュースソクラ」・土屋記者】
 敗因について地元の声を聞くと、「連合が全く動いていなかった。組織票が取れなかった」という声をよく聞いた。それについてどうお考えになっているか。
 非常に重要な選挙だったと思うので、そういう意味では執行部に責任はないのかと。戦術面ということになるかもしれないが。これについて蓮舫さんの考えを伺いたい。

【代表代行】
  連合との連携はしっかりとってきていると思っています。その部分で相互協力がいま一つ足りないというのが結果論としてあるのであれば、何が意思疎通がうまくいかなかったのか、それは考えなければいけないと思います。
 非常に重要な選挙というのはもちろんですが、一方で京都は私どもが勝ちました。執行部として全力でやることをやった。ただ、夏に向けてやり切れていなかった部分、あるいはいろいろな声も現場からまた上がってくると思いますので、そこをしっかりカバーして、勝つための戦術をしっかり組み立てる、それが私達の責任だと思っています。

【フリーランス・堀田記者】
 町村さんの前の選挙、民主、共産が出ていて、その時は6000票差だった。今回は1万2000も離された。いろいろと幅広い人の協力があったと蓮舫さんはおっしゃるが、これはどうか。

【代表代行】
 評論家ではないので、今言われたような票がどうして増えたか減ったかというのを客観的に言う立場ではないと思っています。ただ、我々の今回やらせていただいたことの、結果として、勝てなかった。その勝てなかった理由は何だったのかというのは、これは真摯に分析をして、夏に向けて戦術は練りたいと思います。

【朝日新聞・大城記者】
 今回、民進党として初めての選挙だったが、政策面なり、民主党時代との違いを有権者に打ち出すことができたかどうかということと、あるいは今後どうやって選挙で民進党としての刷新した姿を打ち出していくかに当たって、何か課題に感じた部分があれば伺いたい。

【代表代行】
 政策で言いますと、民主党から民進党、その政策の主な軸は大きく変わっていませんので、新たに民進党になったからと打ち出すべきものは多くはなかったと思います。京都ではしっかり訴えさせていただいて結果を出せました。
 ただ、北海道においてはその部分が届いていなかった。特に我々の公認ではなくて、幅広い連携のもとでの候補者ですから、私達の政策だけを訴えるものではなくて、幅広く、今生活をしている人達に池田まきさんの思いを訴えたものですので、この選挙に関しては「ここが民進党の訴えたいことだ」と強く言うものではないと思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 千歳の自衛隊(票)では1万票近く大差がついたが、他は拮抗していたと。それから札幌の一部では逆転したと。選挙の状況を見て率直に、結果は出なかったが、野党共闘が成功して向こうをヒヤリとさせた、そういう選挙だったと私は見るが。野党共闘はそこそこ数字を出したという見方だ。率直にそれだけのことかと思ったが、そうではないのか。そこを伺いたい。野党共闘は成功したかどうか。

【代表代行】
 選挙ですから、結果を出すというのは議席を取った上での話だと思っています。今回は敗北して、決してその戦術が大成功だったと胸を張る選挙ではないと思っています。
 ただ他方で、ご指摘をされるように、細かな地域を見ていった時に、例えば自民党さんの強いところであるとか、我々がもともとあまり強くないところで票がひっくり返っている部分もありますので、そこは、じゃあなんでそういう票になったのか。誰に対して、どういう層に対して、池田まき候補のどの政策が響いて得票につながったのかは、詳細に見たいとは思っています。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 あまり新聞は報じないが、最終局面で共産党の小池さんと民進党の前原さんが一緒に街宣車に上がったが、そういうところでも野党共闘というのは、勝利戦略の一環として一歩前進したと見るのではないのかなと私は思っているが。その辺の感想を伺いたい。

【代表代行】
 連立政権を組むための連携をとっているわけではありません。ただ、やはり今の一強の安倍政治に対して、例えば安保政策や、アベノミクスの行き詰まり、格差が広がっているものに対して、連携ができるところは幅広く集まり、それが結果として分厚い層になって、強大な「一強」を壊す。そのための今回の補欠選挙だったと思います。
 壊し切れなかったことは非常に残念ですが、ただ、決壊させるべく、道は若干見えてきていると思います。今回の補欠選挙が始まった時の我々のいた場所と、自民党の候補が走っていた部分、あるいは「弔い選挙」という部分も含めて、ここまで、12万の人たちにご支持をいただいたというのは、一つの流れとしては形ができてきたように思います。
 ただ、形ができても、それが成果につながらなければ選挙というのは勝ったと言えない。注意深く分析をしたいと思っています。

【北海道新聞・津田記者】
 今回、無所属の池田まき候補は各社の出口調査で7割の無党派層を取っている。支持層をそれぞれ固め切った中で勝てなかったわけだが、今後、参院選に向けてどういったところが戦略上大切になってくると思われるか。

【代表代行】
 まさにご指摘のとおり、無党派の方達にどうやったらもっと厚く支持をいただけるかというのは、民進党にとっても大きな課題が残ったと思っています。今回、7割を固めさせていただいたのは、池田まき候補の訴えの何に共鳴したのか、自民党の和田候補のどこに共鳴しなかったのか分析するのは重要だと思っています。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 岡田代表は、北海道5区は負けられない戦いだと。他の方もみんなそうおっしゃっていた。3月27日の結党が「ホップ」で、まさにこの北海道を含めた戦いが「ステップ」で、次が本番ということだと思うが、結党から1ヵ月で民進党は、北海道5区で一致結束してやれたのかどうか。うまくいっているのかどうか。1ヵ月の「ステップ」で負けてしまったわけだが、それなりに本番に向けての形が少しできたということになるのか。それはどんなご認識か。

【代表代行】
 結果が出なかったことに対しては、本当に残念ですが、昨日の4月24日に至るまでに、それこそ党の職員、秘書、衆参問わず国会議員、相当な数が、池田まきさんをどうやったら応援できるのだろうかと。現場に行く者、電話で対応する者、SNSで協力する者。今まで以上に、旧民主の時よりも連携が濃かった1ヵ月だったと思います。
 民進党が発足してからちょうど1ヵ月。京都では結果が出て、北海道では出なかったけれども、議員同士のつながりというのは民進党の中で深まったというのが私の率直な感想です。

○衆議院補欠選挙の結果について

【フリーランス・堀田記者】
 池田まき候補の略歴の中で、「中卒」と書いてあるところと「高校中退」と書いてあるところがあった。要するに、お金がない、極貧ということを訴えていたが、中卒で働くのと、高校に入って1年とか半年で中退するのでは、はっきり言って金の差がある。高校に入るには月謝があるし、金がかかる。例えば外務省に入る人間なんていうのはよく「東大中退」とか「一橋中退」とか書いてあるが。これは次の参議院選挙でいろいろと問題になると思うが、「中退」と「卒業」とか、そういったのをきちっと。

【代表代行】
 私は「中卒」という理解で見ていたのですが。「高校中退」でも「中卒」が最終学歴になりますので、その部分の整合性はとれていると思うが、高校に行ったのか、行かなかったのかという部分で誤解を与えるものもありますので、確認します。

○補正予算について

【共同通信・関記者】
 岡田代表が先々から、補正予算に関して「必要と政府が判断するのであれば、内容は議論が必要だが、協力したい」という発言があった。一方、ダブル選の話を絡めると、もし衆院選を行う場合、600億円予備費が必要となり、補正を組めば地震対応への予備費の拠出が必要なくなるので、補正を組むということはダブル選の選択肢を一つ後押しする要素になってくると思う。今回、補正予算の議論に当たって協力するという基本的な考え方を代表は示されたが、そこについてのお考えと、今後のダブル選の可能性、夏の選挙に向けての一連の動き方の中で見た時の補正の位置づけについて伺いたい。

【代表代行】
 代表が申し上げたとおり、今回の補正は熊本・大分群発地震の、被災をされた方達を一日も早く救済するために必要な措置ですので、何でも協力をさせていただきます。それが総選挙に向けてどうだという党利党略的な考えは一切ありません。むしろ考えてはいけない。代表も含めて、激甚災害指定があまりにも遅いというのはずっと指摘をしてきました。ようやくここに来て激甚災害の指定、補正予算というのが(政府から)出てまいりましたから、これは我々も提案型で協力を全面的にしていきたいと思います。

【共同通信・関記者】
 先日、民進党として7項目の要望を出されたが、追加の要望、あるいは補正をこういった具体的な内容でやっていくという提案を今後もされるお考えか、あるいはどういった点に関してされていくお考えか伺いたい。

【代表代行】
 代表も被災地に入り、いろいろお話を伺って、見て回って、お考えになるところがあります。あるいは熊本県連、大分県連も含めて、地元で今必死に救援活動もしていますから、その現場から見えてくるものがありますので、それをどういうふうに我々が提案をしていけるのかは、もう一度考えたいと思います。
 いずれにせよ、(与野党)幹事長会談、党首会談であるとか、話があると思いますので、どうやったら現実的な提案ができるのかも含めて考えます。

○西村衆議院議員の交通事故報道について

【フリーランス・安積記者】
 今朝7時半ごろに西村智奈美さんが地元で交通事故を起こし、軽傷で済んだが、女子中学生がボンネットに上がるぐらいの、ちょっとした、もしかしたら老人だったら大きなけがになるかもしれないような感じの事故だったようだ。この報告は本部には行っているか。

【代表代行】
 すみません、私はまだ聞いていません。

○世論調査の受け止めについて

【産経新聞・岡田記者】
 この週末の産経新聞とFNNの行った合同世論調査の中で、憲法改正について、参院選で憲法改正を最大の争点に「すべき」という回答が6割を超えている。同時に、改憲発議ができる3分の2以上の確保が「望ましい」というのが5割近くに達している。意外と憲法改正について理解が深まっているのかなと思われる数字でもあるが、代行はどのようにお考えか。

【代表代行】
 その調査だけを見たらそういう指摘なのでしょうけれども、他にもいろいろな世論調査はありますから、多方面で見ないと判断できないと思います。

○待機児童対策について

【テレビ朝日・河村記者】
 待機児童の問題で今日も会合があり、民進党で提言もなされている。お母さんたちは具体的に政策に反映してほしいというか、実際に変えてほしいという思いが非常に強かったと思う。野党案の提案を今後どう与党に受け入れてもらうか。政権の政策に具体的に反映させないと、言っているだけになってしまうので、その具体策についてはどのようにお考えか。

【代表代行】
 「希望出生率1.8」を掲げている政権ですから、当然、現実的な野党の提案は受け入れるだろうというのが、まず私の考えの前提です。
 その上で、今、政府が、というか自民党が出された1億(総活躍)プランを見ていますと、今年度で既に措置済みの予算、そして来年の春からの予算で保育士の給与を上げていくという提案になっているので、あまりにも遅いと思います。こうした政策というのは、世論の声が喚起された時にすぐさま迅速に対応することで、政治は私達のために変われるという期待にもつながるし、政治への信頼にもつながると思っていますので、ここの部分をより現実的にするために、今、政調会長のもとで提言をまとめていますが、国会のさまざまな委員会の中を含めて提案はしていこうと思っています。

【テレビ朝日・河村記者】
 これまでのやり方だと野党が与党を追及するというか、やれやれと委員会などで、どうしても対決して、政局の具になってしまう可能性もあるが、今回の問題はそれとは違うレベルの、今すぐ対応しなければいけないような問題が多いと思う。今までと違うやり方で与党を動かす、政府を動かすようなアイデアが何かないか伺いたい。

【代表代行】
 一つには、これまで、例えば今の政府の中で「希望出生率1.8」と言っても、保育士の給料を上げるというのは随分低いところに留まっていたのが、我々が5万円の給与アップ等を提言したら、自民党も、遅いし安いけれども、対応してきた。これによって少しずつ動いているという結果は出てくると思う。
 他方で、もう一つは、予算がかからない規制緩和の部分です。やはり子どもの育ちを学ぶための質を高めるために、面積基準を緩く対応している園に対して、今回、厚労省はもっと(定員)ぎりぎりまで入園させてくださいということを提案していますが、これは我々は反対です。やはり保育士の目の届かないところで、命の問題に関わるものですから、これは委員会で相当過去の実例、本当に残念な悲しい実例を踏まえて提案をすれば、これは塩崎厚労大臣も聞く耳を持たざるを得ないと思います。こういうところで、政府が出したものでこれは現場でマイナスの効果になるものについて、我々が提案したものについては一つずついい方向に変えていけるように頑張っていきたいと思います。