衆院財務金融委員会の10日の一般質疑で宮崎岳志議員が質問に立ち、(1)「パナマ文書」(2)日銀の桜井審議委員の経歴――等について質問した。

 宮崎議員はタックスヘイブン(租税回避地)の会社の設立などを手がけるパナマの法律事務所の内部告発によって流出し、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が入手して公表した「パナマ文書」について取り上げた。掲載されている21万余の情報の中には、各国の現旧指導者や親族らの関係する会社、芸能人やスポーツ選手といった著名人の関係する会社のほか、犯罪組織等も含まれるとしたうえで、「政治への不信が高まっているなか、まじめに納税している正直者が馬鹿を見るようなことがあってはならない」と指摘。内閣官房参与の加藤康子氏や産業競争力会議委員の三木谷浩史氏の名前も含まれていることを問題視し、それぞれ調査したかをただした。

 牧島内閣府大臣政務官は、加藤氏から「関与していない」旨の回答があったと答弁。三木谷氏については高鳥内閣府副大臣が「報道で名前があったというだけなのでこの時点で何か調査することはない」と答弁した。宮崎議員は国民が正直に納税義務を果たしているなか、一部の特別の人が払うべきものをはらっていない蓋然性が高いとして、政府の閣僚全体について調査を行うべきだと説いた。

衆院財金委員会で

 日銀の桜井審議委員の経歴をめぐり、日銀のウェブサイトで「博士課程修了」と記載されているにもかかわらず、博士論文の存在が確認できないと「週刊ポスト」誌が報じた問題では、日銀の桜井審議委員が「単位を取得したが中途退学しており、博士号は取得していない」と明言。日銀が公表している経歴について「単位取得退学も含めて博士課修了という表記を従来からしてきた。従って私の経歴についてもそれに従った」と述べた。宮崎議員は「博士号を取っていなければそれは経歴詐称ではないか。過去には大学中退を大学卒業と書いて議員辞職に追い込まれた政治家もいる」と指摘し、経歴の書き方としては「満期退学」と書くべきだと述べた。同じく博士課程修了と経歴が示されている岩田副総裁にも博士号取得の有無をただしたところ、「博士課程は終えたが、東大紛争等もあって博士号は取得していなかった」「当時の慣例だった」などと答えた。