村岡敏英議員は17日午後、衆院TPP特別委員会で質疑に立ち、今後の再協議の有無やSBS米の問題などについて、厳しく政府に質問した。
村岡議員は、「この間農家の皆さんから話を聞いたが、(1)TPPの交渉の中身が真っ黒で分からない。このまっ黒な文書以外にも秘密文書があるのではないか(2)国会決議との整合性に疑問がある(3)SBS米の調整金という不透明なもので価格がゆがめられているのではないか――の3点が農家の方に不安を与えている」と指摘した上で、「TPP締結後に輸入されてくる食物が安全なのかどうか。これは消費者も不安に思っている」と述べ、しっかり慎重に審議しなくてはならないと冒頭くぎを刺した。
村岡議員は、「TPPで再交渉はないと言われているが見直しはある。再協議はあるのか」と質問したのに対し、石原TPP担当大臣は、「再交渉はしない。再協議については、相手国から求められた場合はしなくてはならないが、わが国の国益を損なうものに対しては再協議に応じない」と答えた。
村岡議員は、「除外項目はTPPにはない。しかし国会決議では除外をうたっている。つまりTPPは国会決議に反するもので、将来的には関税ゼロを目標としている。さらに7年後の再協議には市場アクセスを増やすと書いてある。複数の国が言ってきても断れるのか」と再度質問し、石原大臣は、「国会決議に沿ったものとご理解いただける。協定の変更は相互主義なので、断れる仕立てになっている」などと答えたが、村岡議員は、「他の国が強行に来た場合、日本1カ国で(断る)自信はあるのか。なぜこういう条項を結んだのか」と不安視した。
TPP制度で新たに外国産米がSBS米として入ってくることについて村岡議員は、「SBS米と同量の国内産米を政府備蓄米にするとしている。その備蓄米はここ数年はほとんどが飼料米だ。外国産米が自由貿易を守るためとして外食用になるのはいたしかたないが、主食用として作ったコメが将来飼料米にされるかもしれない農家の気持ちをどう考えるか」「SBS米の価格偽装問題が出た時に、山本大臣は重大な問題と言った。それならば最終的にいくらで流通したのかを調べる気持ちにならなければならない」と追及した。
山本農水大臣は、「農家の残念さは良く分かるが、政府備蓄米として買い上げる制度はやむを得ないもの」「調査していくうちに、調整金はある時もあればない時もある。逆調整金もある。調査すれば影響がないというところに逢着する」などと答えた。
村岡議員は、「真剣になって調べていない。農家ファーストではない。国会運営ファーストになっている。補正予算が通らない、TPPが通らないということで、価格が下がっていないことの証明を一生懸命している」と山本大臣らの答弁姿勢を厳しく批判した。