衆院環太平洋パートナーシップ協定(TPP)特別委員会が17日開かれ、岸本周平議員が質疑に立った。
岸本議員は、「TPP協定そのものではないが、補完する形でそれぞれの国が2国間の書簡(サイドレター)を交換している。その書簡も大変重要なものだ」として、保険等の非関税措置について日米間で結ばれた書簡について質問した。
指揮命令権があるにも関わらず「金融監督局の下にある(郵便貯金・保険監督)参事官室と保険課は、金融監督局の監督に服するものである」と書かされていることを挙げ。また総務省(旧郵政を監督)から金融庁の参事官室に出向者がいるが「総務省から異動し又は派遣され、かんぽ生命保険に対する監督責任を有する金融庁職員が金融庁の関連部署の長に対してのみ報告することを確認する」と書かされていると指摘した。
さらに、次のことも書いてあると述べた。
「かんぽ生命保険と独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構間の再保険契約のコピーを米国政府に提出する」
「かんぽ生命保険は毎年1回、貸借対照表や損益計算書を公表せよ」
「中央政府の調達機関によるカルテル、入札談合及びなれ合いの防止に関する研修プログラムを定期的に実施せよ」
「職員による自らが監督しまたは規制する企業への求職、政府による職員及び退職した職員の就職の斡旋、並びに退職した職員による退職前の政府内での在職部署に対する便宜の要求を禁止することにより利益相反排除を要求する」
これらについて岸本議員は、「全ての省庁で守られているにも関わらず、かんぽについてのみこういうことを書かされている」「なんとしてもかんぽと郵便貯金について、(米国は)影響を及ぼしたいという考え方があるのではないか」と指摘した。
安倍総理は「交渉者同士が相当な交渉をしている。向こう側の交渉者としても何か得なくてはいけない。既にやっていることばかりですから、われわれには何の痛みもない。『あ、それで良いの』という感じ。何ら問題ない」と答えた。
岸田外相は「各分野において既存の国内法令を適切に実施していくことを確認したり、もともと自発的に取ることとしていた措置等の内容を文書に盛り込む。こういったことによって日米双方に受け入れ可能な形でまとめた文書」「国際約束ではなく、法的な義務をわが国が負うというものではない」との答弁を繰り返した。