参院本会議で19日、「福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案」への質疑が行われ、大島九州男議員が質問に立った。

 同改正案は、帰還困難区域内の復興・再生に向けた環境整備、被災事業者の生業の復興・再生を担う組織の体制強化、浜通り地域の新たな産業基盤の構築、福島県産農林水産物等の風評払拭等に必要な措置を講ずるもの。

 大島議員は、福島第1原発事故からの自主避難者について「自己責任」とするなどの今村復興大臣の問題発言について厳しくただすとともに、帰還困難区域内に新たに設定される復興再生拠点区域の除染を国費で行うことと汚染者負担の原則との整合性、被災児童・生徒に対するいじめ問題への対応などについて質問した。

 原発事故からの自主避難者に対して今村大臣が「自己責任」「故郷を捨てるのは簡単」「裁判でも何でもやればいい」等の暴言を重ねたことについて大島議員は、「自己責任発言は撤回したが、心からの撤回とは到底思えない」「自主避難者への侮辱を繰り返す方が復興大臣としてふさわしいとは到底思えない」としてあらためて今村大臣の罷免を強く求めた。今村復興大臣は、「帰還について自主的な判断を尊重すべきとの思いで『自己責任』と言ったが、避難そのものが自己責任との印象を与えた」と反省を示す一方、裁判についての発言は「どうしてもものごとの折り合いが付かない場合の一般論」などと開き直った。

大島議員が質問

 帰還区域内の復興再生拠点区域の除染に国費を投じることについて、大島議員は「本来ならば福島第1原発事故によって放射能汚染の原因を作った東京電力に求償すべきもので、汚染者負担原則の例外を認めることに他ならないのではないか」「税金を投入し、新たな国民負担を生むことについて、国民に説明を尽くしたのか」などとただした。これに対して今村復興大臣、山本環境大臣、世耕経済産業大臣らは「復興のステージに応じた新たな街づくりの一環として行うため国費で実施するもので、汚染者負担の原則と矛盾しない。丁寧な説明を尽くしていく」などとする説明を繰り返した。

 被災児童・生徒に対するいじめ問題について、大島議員は「このような卑劣な行為は断じて許されず、あらゆる対策を講じ、未然の防止や被害者のケアに務めるべきだ」と対応の強化を求めた。松野文部科学大臣らは、原発事故で故郷を離れて暮らさざるを得ない避難者への理解を深めることが重要だとして、スクールカウンセラーの派遣、道徳教材や副読本の活用などを通じて未然防止に努める考えを説明した。

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