参院決算委員会で9日午前に行われた2016年度決算等についての全般質疑で、民進党の1番手として質問に立った大島九州男議員は、(1)財務省の森友学園への口裏合わせ疑惑(2)対北朝鮮への日本政府の姿勢(3)昨年秋の総選挙の正統性(4)イラク派遣日報隠ぺい問題(5)今治市教育委員会が岡山理科大学獣医学部の開設説明会へ動員要請したこと(6)公益財団法人日本漢字能力検定協会の不明瞭な不動産取引――などについて、安倍総理や関係閣僚を追及した。
大島議員は、「今治市の教育委員会が加計学園の学校説明会に動員を要請していたことが発覚した」と指摘し、文部科学省に事実関係を求めた。文部科学省の初等中等教育局長は、「今治市教育委員会から本年1月21日に開催された岡山理科大学獣医学部の開設説明会に関して、1月5日に同市教育委員会から市内の小中高等学校に対して案内状を送付したと聞いている」「PTAの研修会と位置付けて、会場への交通費をPTA会費から支出可能とした学校があったと承知しているが、同市教育委員会は出欠確認を行っていないから、実際にその学校から参加したかは把握していない」と事実関係を答弁した。大島議員は、「まさに公立学校の公金でなくて、PTAだからと、その下の組織だからと、上の人が下に押し付けるような話ではないか」と強く批判した。
同じ人物が理事が名を連ねる公益財団法人日本漢字能力検定協会とNPO法人京都文化協会が、京都市内の別の中学校跡地をそれぞれ賃貸借する際の条件が図表のように先に契約した京都文化協会の方が有利に契約して、漢字検定協会は多額の契約をしている問題について、「契約が違うが唯一同じなのは契約当事者が一緒」「普通、自分にとって有利な契約をした経験のある人が次に同じような物件を借りるときに、『前回こういう条件だったからこういうふうに安くしていただきたいんです』と契約すると思う」と追及した。そのうえで、「文科省がいろいろな経緯で指導して、漢検の検定料も値下げさせた。ところが経営が悪くなって赤字になったから検定料を上げた。おかしいだろう。それだったらこんなお金の使い方をしない。こういう経営をしているから赤字になる。それで結局検定を受ける人たちがそれを負担しているという状況になっている事実をしっかり私たちは受け止めなければいけない」と強く訴えた。