衆院決算行政監視委員会で5日、2014年度決算、15年度決算などの締めくくり総括質疑が行われ、青柳陽一郎議員が質問に立った。
青柳議員は、「行政監視として、政策の優先順位が間違っていないか、政策や制度・運用がゆがめられていないか、そして何よりも、国民の税金の使い道が適正なのか、きちんとチェックしていかなければならない」と述べ、国家戦略特区による加計学園の獣医学部新設問題について質問した。
山本幸三内閣府特命担当大臣に対し、特区での獣医学部新設で満たすべき4条件、(1)既存の獣医師養成でない構想が具体化し(2)ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき具体的な需要が明らかになり(3)既存の大学・学部では対応困難な場合(4)近年の獣医師需要動向も考慮しつつ、全国的見地から検討――をクリアしているかただした。
山本大臣は、「当然クリアしている」としながらも、具体的な需要について「経済学で需要供給曲線を完璧に描くことはできない。数字的に需要がいくらというのは、そんなことは誰も言えない」と答弁。需要の方が高いことの例として「おそらく価格が高止まりしている。ペットを診察した時に値段が高すぎると言う人は結構居る。私も先週戻って自分の家族に聞いたら20万も払わされたと、そういう話がたくさんある」と述べた。
青柳議員は、「全く説明になってない。具体的な需要が明らかになることが条件だと言っておきながら、これをクリアしている説明はなかった」と指摘した。
続いて安倍総理に「4条件を明確にクリアしていると言えるか」と見解をただした。
安倍総理は、「四国で鳥インフルエンザ等が起こった時に、直ちに対応していくためには、その人材供給。その拠点となるべき獣医科が必要」などと四国での需要について説明。4条件については、「私が判断する立場ではない。4原則(ママ)については特区申請の分科会において議論をする。そこで4条件に当てはまっているかどうか審議をする場がある。そこで獣医学部の教授が2人入り審議をしていて特に4条件が満たされていないという異論は出なかった。専門家の目で見た後でちゃんとあっていると判断されている」と答弁した。
さらに「私が全くそれには影響を与えていないのは当然。そういう仕組みになっている」と自身の見解については答えず、関与してしないことを強調した。