自民党現職議員の死去に伴う衆院愛媛3区補欠選挙(10月10日告示、22日投開票)で、民進党公認候補予定者となった白石洋一氏は19日松山市内で記者会見し、「この選挙を機に新たな展開を切り開いていきたい」と決意を表明した(写真上は左から、がっちり握手を交わす馬淵澄夫選挙対策委員長、白石公認候補、愛媛県連代表の渡辺昭松山市議)。

馬淵選対委員長

 馬淵選対委員長は、18日の党本部常任幹事会で衆院愛媛3区補欠選挙の候補者に元衆院議員で公認内定候補の白石洋一氏を公認候補に決定したと報告。「安倍1強政治に対する是非、この4年半の安倍政権の成果に対し愛媛3区の皆さんがどのように感じられているのか。愛媛県、四国での安倍政治の大きな総決算を1票(に託して)ご判断いただける場だと思っている」と述べた。

 先の東京都議選について、準国政選挙という位置づけに近いなかで、森友学園問題や加計学園問題、さらには共謀罪等の強行採決といった強引な政権運営に、いわゆる安倍1強政治の緩み、傲慢さに対する国民の不平不満が大きな高まりとなって示され、自民党はかつてない歴史的大敗を喫する状況だったと振り返った。一方で民進党は、それに対し国会で追及を行い、大きなうねりを作り上げたという自負はあるものの、自民党に代わる受け皿となり得なかったと分析。党本部として深く反省、総括し、今後蓮舫代表体制でしっかりと戦っていくための議論を行っていると前を向いた。

 公認候補の白石氏に対しては、「たゆまざる努力と地道な活動を続けてきた」と信頼を寄せ、「公正中立な社会、頑張った人、努力した人が報われる社会を目指す白石洋一氏のメッセージは愛媛県民、3区の皆さんに届くと信じている。全党挙げて戦っていく」と力を込めた。

白石公認候補

 白石氏は、「10年前にふるさと・愛媛に戻り、政権交代可能な政治を愛媛からつくるんだ、庶民の立場に立った政党で活動していくんだとの思いを貫いてきた」「2012年の衆院総選挙で落選後、地域を回り、話を聴き、皆さんの生活の様子を見て、頂いた意見を自分のものにしていくとの思いで今に至っている。ふるさとを良くする、なかでも若い人を増やしていくのが政治の一番の役割だと思っている。そのためにあらゆる政策を動員し、人を増やし、豊かなふるさとを取り戻していく」と決意を表明。地域を歩くなかで、当初は民主党、民進党に対する厳しい声がたくさんあったものが、安倍政治の実態が明らかになるにつれて「アベノミクスで恩恵が来るのはいつなんだ」「言論の自由が失われているのではないか」「拡大する格差に光を当て、是正する政策が必要だ」「今の政治をしっかりチェックする役割が必要だ」といった安倍1強政治への疑問や批判、安倍政治にしっかり対峙(たいじ)する政治を期待する声が増えていると手応えを示した。

 白石候補予定者は、「政治の岐路に立つような選挙に候補者として臨む責任を十分に担い、この選挙を機に新たな展開を切り開いていきたい」と強調。目指す政策として具体的には、子育て・教育支援や、子育てしやすい環境を整備する働き方改革、格差の是正、言論・表現の自由の確保などを挙げた。