参院予算委員会で29日、森友学園への国有地売却に関する会計検査院報告や総括質疑が行われ、民進党新緑風会の3番手として川合孝典議員が質問に立ち、森友学園、加計学園にかかわる疑惑について安倍総理らを追及した。
森友学園への国有地売却で過大な値引きを指摘した調査結果を取りまとめた会計検査院の報告書について安倍総理の受け止めを求めた。総理は「報告について真摯(しんし)に受け止め、国有財産の売却について事務のあり方を見直すことが必要だ」と政府の不適切な対応を認めたうえで、再発防止策を講じると述べた。
それに対して川合議員は「再発防止策が実効性を伴うかどうかは、なぜこのような問題が起こったのかをきちんと検証することから始めなければならない。再調査をするのか」をただした。総理も麻生財務相も「必要な見直しを行うことに尽きる」等の答弁に終始し再調査を取り組むと明言しなかった。
また、河戸会計検査院長が「残された行政文書では売却に至る具体的なやりとりを確認できなかった」等と財務省による交渉記録破棄を問題視したため、川合議員は「これだけ資料がそろっていなくて検証できないという事案はあったか」とただしたところ、今回の事案について「ずさんな会計処理」だったことを明らかにした。
続いて加計学園の獣医学部新設を文科省が認可したことに関連して、従来政府が獣医学部新設で定めた4条件を満たしているかどうかを審査したのかをただした。これに対して林文科相が「確認していない」等と答弁したため「設置審の決定は無効ではないか」と問題視した。
それでも国家戦略特区制度を活用し巨額の税金と土地の提供を受けて加計学園が獣医学部を新設することになったため、川合議員は「今後も税金が投入され続ける。特区の4要件をきちんと満たしていない以上、どうやっても国民の皆さまにご理解いただけるものとは思えない」と厳しく指弾した。