参院予算委員会で31日、2017年度補正予算に対する総括質疑が行われ、民進党・新緑風会から1番手として質問に立った小川敏夫議員は、(1)アベノミクスによる賃金と消費の落ち込みと生活苦の拡大(2)年金据え置き(3)毎日勤労統計、家計調査による実質賃金の下落、消費支出の落ち込み、エンゲル係数の上昇(4)生活保護費基準引き下げ(5)年2パーセントの物価安定目標(6)歳出予算の内訳(7)森友学園問題――について安倍総理らの見解をただした。

 小川議員は、安倍政権に入って5年が経ち、実質賃金は低下し、家計調査の消費支出が落ち込んでいるにもかかわらず、エンゲル係数は上がっているという統計を示し、「アベノミクスによって国民生活は苦しくなっている」と指摘した。さらに小川議員は、消費者物価が上がっているにもかかわらず、年金支給額は据え置きで、生活保護費についても減額していく方針を政府が示していることを説明。そのうえで、「生活保護費を下げたら苦しい人がさらに苦しくなる。まさに国民生活を苦しくしている。これがアベノミクスの実態だ」と厳しく追及した。

 2018年度政府予算についても小川議員は質問した。公共事業予算が12年度が約4兆5千億円だったのに対し、来年度は約5兆9千億円に増えていることを指摘。このことについて小川議員は、「文教科学振興、人づくり、科学技術立国という言葉を安倍総理は言っているが、予算面では全く裏付けられていない」と断じた。