党役員会見に関する基本的な方針について

増子輝彦幹事長記者会見

2018年3月12日(月)15時00分~15時28分
編集・発行/民進党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=gYC7xqTp3XQ


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○森友決裁文書書き換え問題 財務省の調査結果を受けて

【幹事長】
 きょうは財務省による書き換えのあったと言われる文書等について、私どもその提出を求めておりましたところ、きょう参議院予算委員会理事懇談会でこれが提出されました。
 そのことを私どもとしても精査中ですが、現時点で私どもが申し上げることは、財務省による文書の書き換えの報告は想像を絶する内容である、ということです。国会答弁に合わせて組織的に行われた可能性が極めて高いと言わざるを得ません。行政の信頼を著しく失墜させるものであると同時に、国会及び国民に対する欺瞞であり、断じて容認できないというのが今の私どもの立場です。
 特に安倍昭恵総理夫人の関与に関する記述が削除されていた点が、私どもとしては大変重大な問題であると認識しているところです。誰の指示でこのような書き換えが行われたのかは明らかになっておりません。その核心部分を明らかにしていかなければならないわけですから、この核心部分。あわせて、財務省側としては「これが全ての文書だ」と言い切っておりますが、本当にこれが全ての文書かどうか。これも甚だ私どもとしては疑う視点があると認識しております。これらの部分が明らかになるまでは、基本的に現時点では国会審議には応ずることはできない。そのような認識を持って、参議院国対とも現時点ではそのような話し合いをしているところです。
 そして、やはりこれらの書き換えの問題等につきまして重要なことは、佐川前国税庁長官の辞任という問題だけでは、責任のとり方については到底なされておりませんので、当然、麻生財務大臣、ひいては安倍内閣総理大臣の責任も追及していかなければいけない。当然、今後の展開によっては内閣総辞職というところまで私どもは責任を追及していくと、今、覚悟を持ち始めているところです。
 そのためにも、さまざまな責任をとっていただくということも含めながら、この中身を明らかに解明して国民に説明するという意味も含めて、当然国会に対するこの欺瞞を明らかにするという点でも、やはり安倍昭恵夫人、そして佐川前国税庁長官の証人喚問。あわせて、安倍昭恵夫人の部分が削除されたということが今回のこの文書提出の中における最大のポイントの一つであることは間違いありませんので、これは今イタリアにいわゆる転勤になった経産省職員の谷査恵子さんを証人喚問として求めていきたいと思っているところです。
 当然、財務省内部での調査では不十分ですから、私どもとしては与野党合意のもと国政調査権に基づく調査を行うよう今後とも与党にも求めていかなければならないし、誠意ある対応をしてもらいたいと思っております。
 安倍総理は、「私や妻が関係していたということになれば、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめる」と国会で答弁されていました。財務省の調査結果に基づき、これらについても本当にそのようなことがあったのか、ないのかによって、やはり先ほど申し上げたとおり安倍総理の責任というものも明らかにしていくことが我々の一つの大きな責任だとも思っておりますので、この点もあわせてお話しさせていただきました。


■質疑

○森友決裁文書書き換え問題について(1)

【読売新聞・鈴木記者】
 国会審議には応じられないということだが、ほかの野党ともこの考え方は一致しているのか伺いたい。

【幹事長】
 これはこれからのことでありまして、今の国会の状況は、ようやく参議院における予算委員会の理事懇が終わり、衆議院の財務金融委員会の理事懇が終わり、15時から衆議院の野党国対委員長会談が行われている時間だと思いますので、これらの結果を踏まえながら総合的に判断をして、先ほど申し上げたようなことを踏まえながら、私どもとしてはしっかりとそういうようなものを政府に求めていかなければなりません。その上で、明快な回答なり我々に対する誠意ある対応がなければ当然国会審議に応じることはできないというのが現時点での私の判断です。

【読売新聞・鈴木記者】
 そうすると、幹事長会談は特に予定はないということか。

【幹事長】
 現時点ではまだそのような話には直接にはなっておりません。今後場合によってはそのようなこともあるかもしれませんが、現時点ではまだそれが予定はされておりません。

【「フランス10」・及川記者】
 改めて確認だが、麻生財務大臣の辞任、安倍首相の総辞職、安倍晋三議員の議員辞職、この3点を今後求めていこうとお考えか。

【幹事長】
 これについては、まだ十分に中身が解明されておりませんので、これらの責任を私どもがしっかりと追及するために、明らかにしなければいけない事実をしっかりと明らかにしながら、これらの問題について今申し上げたようなことを要求していきたい。ぜひそのような形にしていきたいということで現時点では考えております。

【共同通信・河内記者】
 「明らかにしなければいけない事実」を明らかにしていないというのはどういうことか、もう少し伺いたい。

【幹事長】
 これは先ほど申し上げたとおり、いつ、だれの指示によって、このようないわゆる書き換えが行われたのかということが明らかではありません。
 それから、「これが全ての文書だ」と言っているにもかかわらず、本当にそれが事実なのかどうかということも明らかにしていかなければなりません。
 さらに、今回のこの問題については安倍昭恵夫人の関与ということが極めて重要です。このいわゆる書き換えを含めて、森友学園問題の発端、8億円の値引きによって土地が売買されたという事実の発端は何だったのか。それが安倍昭恵夫人の行動に起因するのではないかということも明らかにしていかなければなりませんので、先ほど申し上げたとおり、今申し上げたことを含めて証人喚問をしながら、新たな証人喚問として谷さんをぜひ証人喚問するということをして明らかにしながら、これらの問題解明に取り組んでいきたいということです。

【共同通信・河内記者】
 あした予算委員会のほうでは公聴会を予定しており、そのための理事懇がこれから開かれるようだが。

【幹事長】
 今後、我々野党の幹事長会談が行われるかどうか、わかりません。しかし、この後もう一度、参議院の野党国対委員長会談が行われますから、最終的にはそこで判断されると思います。そこで最終的に、あすの公聴会に出るか出ないかも含めて決定がされると思います。

【日本経済新聞・藤田記者】
 書き換えの理由など、まだ明確になってない点があるが、安倍一強政治の弊害とか、人事局をつくって官僚を掌握したりとか言われているが、背景にはどういうものがあったと幹事長は見ているか伺いたい。

【幹事長】
 この5年間における安倍政治という状況を顧みれば、一強安倍政治という政治体制によって、やはり行政も安倍総理の顔色をうかがいつつ、また自分たちの保身のためにも、安倍総理及びその周辺の考えを忖度(そんたく)しなければいけないという状況がこの5年間で生み出されてしまったということ。これが大きな一つの原因だと思っています。
 ですから私どもは、政権選択の政治状況をつくらなければいけないということを含めて、残念ながら今ばらばらになっている野党もできるだけ早く一つの固まりになっていく。大塚代表のもとでずっと私どもは、国会対策などあらゆる面でそのような方向を示してきたわけです。
 いずれにしても、長く続く権力は腐敗していく。特にこの内閣府の中につくられた人事局で官僚の人事を決定するということも含めて、行政の皆さんが官邸の総理の顔色をうかがっていかなければ仕事をしない、できない、というような環境になったことが安倍政治の極めて(大きな)弊害だと思っております。

○3.11から7年 復興・「原発ゼロ」の取り組みについて

【「フランス10」・及川記者】
 東日本大震災から昨日で7年ということで式典があったり安倍さんが現地視察をした。その感想を伺いたいのが一点。
 もう一点は、先週水曜日、小泉元総理が特派員協会で会見し、金曜日に紀伊国屋ホールで講演をしたが、小泉さんとしては野党が「原発ゼロ」で結束していくべきだとおっしゃっている。野党連携、「原発ゼロ」の旗印のもとに野党6党がまとまれるとお考えか。以上2点伺いたい。

【幹事長】
 あの東日本大震災・東京電力福島第一原発の事故から7年が経過いたしました。ご案内のとおり、依然として7万数千人の方々が避難生活を強いられている。特に福島県民は5万人が避難生活を強いられているという状況にまだあります。
 特に福島と、宮城・岩手の状況は全く違うものがあります。津波による被害からの復興と、原発事故を受けた福島の復興というのは、違いがあります。
 岩手や宮城の皆さんにも、一日も早くその復興の道をさらに加速していっていただきたい。これは方向性がかなり見えてきましたし、かなりの部分で自治体の長の皆さんや地域住民の皆さんもそれを認めながら、もう一度みんなでいいふるさとをつくろうということで頑張っておられます。
 しかしながら福島県は、見えない敵との戦い。放射能という問題が重くのしかかっているわけでありまして、特に原発避難指示解除になったところにおける人口減少と帰還率というのは極めて大きな課題になっておりますから、一日も早くこういう方々がふるさとに戻れるための対策を私どもは講じていかなければいけない。
 先週申し上げましたが、原発の収束ということについての対策をどういう形で一日も早くやるかということ。燃料デブリの取り出し、取り出した後の最終処分場をどうつくっていくのか、あるいは汚染水の処理の問題、そして子どもたちの教育や健康管理の問題、風評被害対策、産業振興、インフラの整備。さまざまな課題が依然として山積しているという現状があります。
 安倍総理が10日の土曜日に、復興支援道路の福島と相馬間の一部開通、17kmの道路の開通式に来られました。私は以前から申し上げているのですが、光と影の部分がある。この災害からの復興に向けて、光の部分にはしょっちゅう来られますが、影の部分に足を運ばない総理であってはならない。厳しい現状にある場所に行き、そういう地域に住む方々、そこに戻らなければいけない方々との対話、あるいは状況をしっかり把握してほしいということを、ずっとこの5年、安倍政権にも申し上げてきましたが、残念ながらそういうことは全く行われない。
 道路の開通式、あるいは施設整備が整ったところの開所式、あるいは、おいしい魚が食べられるようになったという試食。そういうことだけを短時間で本当に駆け足でめぐっていくという形では厳しい現状がよくわからないのではないだろうかという問題もありますので、我々としては粘り強く、福島の復興・再生はまさに超党派で、オールジャパンでやっていかなければなりませんから、政府にも与党にも申し入れて、福島の復興に向けては全力で当たっていかなければいけない。そういうふうに実は今も思いながら、そういう行動を続けていきたいと思っております。
 2番目、小泉さんの原発の問題は、私ども民進党としても一日も早く「原発ゼロ」の社会をつくるということについては全く同じ考えです。ただし、このゼロにするまでのプロセスが幾つか、やはり希望の党さん、あるいは立憲さんとの違いが出ていることは事実です。
 これも実は我々が議論してまいりましたことは、その原発をゼロにした後のエネルギーについて、どのような形でエネルギーミックスをきちっと実現、つくり上げることができるか。あるいは、エネルギーにおけるセキュリティーをどのようにきちっと対応していくか。そして原発がなくなった地域の雇用や経済をどうするかという問題。あわせて、これはもう以前から申し上げていますが、最終処分場をどのようにつくっていかなければならないかということを早く決めなければ、これはなかなかそう簡単ではないので、言うは易し、行うは難し。立憲さんが5年でゼロで進めていくという一つの考え方は否定しませんが、実現するとなるとそう簡単ではありませんので、私どもとしてはパッケージ型でエネルギーのあり方について議論をして、一日も早く原発のない脱原発社会をつくっていくことができるかということ。これからもしっかりと議論をして、そういうものをつくり上げていきたい。
 ですから方向性は、原発のない社会、ゼロという方向は全く一緒ですが、その手順。山に登るときも、登る方法が少し違うのかなと思っていますので、これらの問題については、小泉総理も掲げているゼロに向けての社会については全く否定もしませんし、大いに共鳴するところもありますので、協力できることは協力していきたいということで、我々としても現実的に、この問題についての解決に全力でこれからも取り組んでいきたいと思っています。

【「フランス10」・及川記者】
 小泉元首相は「原発ゼロ」で野党結集すべきだというお考えだが、野党間、今のお話だと希望・立憲・民進で多少温度差がある。今後野党結集の時のために「原発ゼロ」を旗印にできるのか、それと相互で調整していくお考えはあるのか伺いたい。

【幹事長】
 それは個人的には協調できるところも多々あると思います。それは当然調整の必要のある部分もありますから、そういう話し合いもやっていくことはやぶさかではありませんので、ぜひそういう社会をつくっていきたいと思っています。

○森友決裁文書書き換え問題について(2)

【時事通信・黒堀記者】
 先ほど、文書に関して、全て出たか甚だ疑わしいとおっしゃったが、そういうふうにお感じになられる理由はどういうところにあるか伺いたい。

【幹事長】
 それは過去の事例から含めても、やはり「これで全てです」と言いながら、繰り返しそういうことが行われてきたという事実がありますので。
 今回のこの書き換えられた文書がどこにあったかということを考えると、本省と近畿財務局の書類の中にあったものと、個人のフォルダの中に入っていたものを今回はこういう形で出しましたと。そうすると、個人のフォルダということは、もっと他の人が場合によっては持っているのかもしれないし、本省の中、近畿財務局の中にもそのようなものがあるのではないかという疑いも我々は持たざるを得ません。
 「本当にこれで全てだ」と財務省が言い切ったことについては、もしそれが事実であればそれにこしたことはありませんが、この後また違う形でこういう書き換えの文書等が出てきたときにはさらに責任というものは非常に重くなりますので、私どもとしてはもう少し、いやらしい考え方ではなく、ある物は最初に全て本当に出したということを、過去のことも含めてやっていただければ結構ですが、今日まで何度かそういうことが違いがあったということを含めて、しっかりとこれからも追及しながら要求していきたいということです。

○石垣市長選の結果について

【日本経済新聞・藤田記者】
 昨日、石垣市長選の投開票があった。自民党系の保守が分裂する中で、民進党の県連も推薦したオール沖縄の候補が敗北した。これについての受けとめと、秋の知事選に向けてどういうふうに態勢を整えるか伺いたい。

【幹事長】
 石垣市長選挙等については、私どもも一応沖縄県連推薦をさせていただきました。結果としては大変残念な結果でありますが、当初から現職有利と調査等も含めて言われてきましたし、選挙戦の戦いぶりをずっと見ていきますと、やはり現職有利だなということは否めない事実でありましたので、そういう意味では、私どもも推薦をしつつ、何とか少しでも勝利に向けての努力をしたいということで沖縄県連もやってまいりましたが、力及ばず、野党連携も含めて残念な結果になりました。
 当然、この問題については、私どもとしても秋の知事選挙に向けて、もう一度戦略の見直し等を含めて、どのような形で勝利するための態勢づくりができるかということの検討をしていかなければいけないと思っています。

○森友決裁文書書き換え問題について(3)

【「フランス10」・及川記者】
 安倍政権に辟易している人たちの中には、インターネットやあるいは言論人の反応を見ると、ここで総退陣に追い込まなければもうチャンスはないと考えている方も少なからずいる。資料を精査中だと思うが、安倍政権を退陣にまで追い込めるとお考えか。それと、安倍政権退陣のために何が必要なのか。2点伺いたい。

【幹事長】
 今お話しのとおり、中身をさらに精査中です。
 私自身としては、やはり政府が国会に対して、国民に対して、うそをついていた。虚偽(の説明)をしていたという事実は非常に重いと思いますから、この責任は重大だと思っています。
 さらにその中身を見れば、政治家もその中に、秘書ですが、関わっていたという事実。さらに安倍昭恵夫人の部分についても数ヵ所、このような形で記載されたものが削除されたという問題。これ、なぜそのようなところが削除されたのか。そこが最大のポイントの一つだと思っています。やましいことがなければ、財務省もその部分については削除をせずに、籠池理事長がそのような話をしたということだけであれば堂々としていればよかったのだろうと思いますが、なぜそのような削除という行為になってしまったのか。そこの理由、原因を明らかにしていかなければなりません。
 先ほど申し上げたとおり、安倍一強政治の中で、どのような形で官僚の皆さんがそういうことを行ったのか。これ、極めて重要なのですね。そしてさらに重要なことは、安倍総理が国会答弁の中で、そのようなことが少しでもあったら総理大臣はもちろんのこと国会議員もやめるという発言をされた。実はその発言の後に改ざんが行われたということなのです。2月17日(衆予算委員会)、安倍総理が国会で答弁されて、この書き換えが行われたのは2月下旬から4月の間なのですね。こういうことを考えたら、やはりこの問題については非常に重大な疑義があり、また政治的責任というものは極めて重いと断じざるを得ません。
 そういう点を含めて、政治的責任はかなり重いのではないだろうかと思っていますし、国民の皆さんも、今までこの1年近くこの問題が国会の中で追及されてきて、「なぜそんなことばかりやっているんだ」と言う方もいらっしゃいますが、どの世論調査を見ても、最近また特に、この問題については「解明が不十分であり、財務省のやり方がおかしい」ということも世論調査で大きな比率になってきましたし、けさのある新聞の世論調査も内閣支持率が6ポイント下がり、不支持率が6ポイント上がってきた。総理夫人のこの問題への関わりがどのような形なのか含めて、世論的にも安倍内閣はかなり大きな打撃を受けるのではないだろうかという認識を持っています。
 国会としてはしっかりとここのところの問題、疑惑を明らかにすることは当然であり、何といっても国会に対して改ざんされたものが提出されるという、議会制民主主義の中においてやはり大きな問題をはらんでいるということですから、ここはしっかりと私はそういう問題を取り上げて国会の中で明らかにしていく。
 ですから国会を開くことについては、改めてこの問題を中心とした集中審議を与党が受け入れるならば、それは当然起き上がる条件の一つになろうかと思いますが、現時点では全くそういう問題を私どもに対して相手にしてくれませんので、そこは引き続き那谷屋正義参議院国対委員長を中心にしてしっかりとその要求もしていくことになろうと思います。
 これはやはり大きな、内閣の責任問題につながっていくことは明らかだと思います。