党役員会見に関する基本的な方針について

岡田克也「無所属の会」代表記者会見

2018年3月20日(火)15時01分~15時24分
編集・発行/民進党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=JpZyMKQ_0jI


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○森友問題 佐川前理財局長の証人喚問について

【「無所属の会」代表】
 私からは1点。国会で集中審議もきのう行われましたが、森友学園の疑惑について、佐川前理財局長を証人喚問することが決定いたしました。
 そのことは評価できることだと思いますが、私は、佐川さんには本当のことをぜひ言ってもらいたいと思います。国会でのやりとりを聞いていますと、佐川さん個人、あるいは理財局にあらゆる責任をかぶせかねないような、そういうふうにも感じられるわけですが、佐川さんに初心に返っていただいて、今かけられている財務省あるいは霞が関全体に対する国民の不信感、それを払拭するために何をすべきかという観点で、しっかりと本当のことを言ってもらいたいと思っております。
 それから、もちろん佐川さんに言っていただきたい本当のことというのは、なぜこんなうそをやり、改ざんをやったのかということです。明らかなうそを国会で発言したということはよほどのことがない限りあり得ないわけで、そこのところについて本当のところを語っていただきたいと考えております。
 それから、(8億円の値引きの根拠とした)ごみの算定の問題がいろいろ報じられています。ここは佐川さんというよりは、その前の迫田さんの時代の話だと思いますが、私が非常に不思議に思うのは、3.8メートル本当にやったのかということが議論になっているわけですが、そこも重要なポイントですが、同時に、9.9メートルというところは結局国はみずから調査していないし、調査も依頼していない。いわば言い値で計算しているということであります。ここも極めて不思議な感じがいたします。
 森友学園側の言い値で、ごみが9.9メートルにも埋まっていたということですが、結局それを算定の根拠にして全体で混入率が47.1%ということで諮った上で金額が出てきているわけで、そういういいかげんなことがまかり通っているということは誰しも疑問に思うことですが、そのことについてもしっかりと。これは佐川さんに聞いてもわからないかもしれません。そういう意味では、今後も委員会の中で議論をする、政府に答えを求める。必要があれば迫田さんに来てもらう。そういったことではないかと思っています。
 まだまだ疑惑の解明の一歩まで行っていない状況ですから、国民の信頼を取り戻すためにしっかりと対応していかなければいけないと考えています。


■質疑

○森友問題 佐川前理財局長の証人喚問について(1)

【毎日新聞・影山記者】
 今、証人喚問・国会招致の件について、ごみ問題の件で、必要があれば迫田さんに来てもらうという話をされていたが、きょう佐川さんの証人喚問も決まり、優先順位として、佐川さんの次に呼びたいのは迫田さんというお考えか。昭恵さんを呼びたいという意見もあるが。

【「無所属の会」代表】
 これは基本的には現場で決める話ですので、私が順番がどうだと言うつもりはありません。ただ、迫田さんも必須ではないかと。次に、2番目のプライオリティが迫田さんということではありません。

【NHK・稲田記者】
 この問題、これまで1年余り続いているが、今回佐川さんを証人喚問するということの意義は、この問題のどういったところに見出せるとお考えか。

【「無所属の会」代表】
 意義。もちろん証人喚問ですから、今までのように、もちろん今までの事実に反する答弁もそれ自身極めて問題ですが、証言するということになるとより重みが違うわけです。そういった議院証言法のもとでしっかり証言してもらうということは、より正確な証言がなされる可能性が高いということだと思います。
 もちろん、今取り調べ中だとか、いろいろな理由で答えないという選択もあると思いますが、先ほど申し上げたように、これは財務省あるいは霞が関全体の存亡のかかる問題であり、国民からの信頼が地に落ちている、その状況の中で、事実をきちっと述べるということは最低限のことなので、霞が関で育った佐川さん、しっかりとけじめをつけてもらいたいと思っています。

○前川氏の授業に対する文科省の調査・録音データ要求問題について

【フリーランス・上出記者】
 きょう夕方の野党合同ヒアリングの対象になっている教育行政への介入で、文科省が前川前文科次官の講演をやった中学校に執拗なメールを送っている問題。これも結局、どこかの人への忖度(そんたく)が起きているわけで、官僚が今、非常にいろいろなところで忖度している全体の構造、この辺いろいろな問題が見えるかと思うが、岡田さんなりのご経験を踏まえて、今霞が関で起きている一連の問題について、どのような切り口で見ているか、何を酌み取らなければいけないかについて伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 これも事実関係をまず明確にすべきだと思います。(文科省から市教委への)質問について(自民党議員が)添削したという話も一部報道されています。文科省は、自分たちの判断でやったんだ、いろいろご意見があったとしてもそれは関係ない、ということで言っているわけですが、それはどちらなのかということも明らかではありません。
 それから、そういうふうにいろいろ発言をした議員、報じられてはいますが、文科省は認めていません。そういったところをまず明確にするところから話は始まるのではないかと思います。  いずれにしても中身は執拗であり、しかも前川さんのことについて、個人の人格攻撃と言われかねないような質問、非常に不適切な質問も含まれていますから、法令にのっとってやっているんだという答えは通用しないと私は思います。

【フリーランス・上出記者】
 今の名古屋の中学校での授業の問題で、(文科省と市教委のやりとりのメールの)全文が出ているが、当事者が萎縮しないで堂々と切り返している。前川さんは悪い人だと(文科省は)盛んに言ってきているが、天下りの問題は全ての官庁に関わることであるとか、一方的な「出会系バー」については逆の事実もあるということをちゃんと言って、非常にきちんと切り返している。おそらく政治的に偏向していると認定したかったのだろうけれども見事に論破されている。現場でまだまだきちんとしている方がいるなと私は非常に感心したが、この辺は岡田さんはどう見ておられるか。

【「無所属の会」代表】
 私の記憶では、記者会見されたのは教育委員会と校長だったと記憶しているのですが、いずれもきちんと筋の通ったことを言われていると思います。それに比べると、文科省はあまりにも恥ずかしい。そういうふうに思いながらニュースを見ておりました。

○経済政策について

【「フランス10」・及川記者】
 経済政策について2点伺いたい。
 1点目が、井手英策先生の「All for All」という理論についてどう思われるか。
 2点目が、民主党政権時代の経済政策をどう総括するか。幾つか数字を挙げると、民主党政権時代の実質GDPは2010年が493兆円、11年が495兆円、12年が500兆円だ。リーマンショック前の07年度が506兆円なので、低迷していると言える。ちなみに第2次・第3次安倍政権のもとでの実質GDPは、13年が513兆円、14年が510兆円、15年が517兆円、16年が523兆円だ。さらに、2010年から2012年度の一般会計税収の平均は43兆円で、この四半世紀で最低の水準だった。これらの数字を踏まえた上で、民主党政権時代の経済政策の総括をお願いしたい。

【「無所属の会」代表】
 一言で言うのはなかなか難しいのですが、我々が政権を引き継いだ時はリーマンショックのどん底の直後です。その世界的にも極めて異常な時代の水準と、その後何年かたったころの水準を比べるというのは、適切ではないと私は考えています。
 「All for All」については、我が党として前原代表の時に政策をとって、結局幻になりましたマニフェストもつくったわけです。しかし、選挙の時にそれを掲げることはありませんでした。したがって、私はあまり精査しておりません。
 大きく言えば、わかりやすく、いい政策だと私は思いますが、結果を見れば、例えばそのために適切な負担はしていこうという考え方は希望の党からも立憲民主党からも否定されておりますので、そういう意味では非常に残念なことだったなと思います。

○奨学金制度について(1)

【「フランス10」・酒井記者】
 ゲイレポーター、酒井佑人です。2月12日の朝日新聞の記事で、奨学金破産が親族にも広がっていて、過去5年間の破産が延べ1万5000人とのことだった。これに対しての感想と、それへの対案も具体的に伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 これは従来からさまざま言われている話なのですが、そういったことに鑑みて、所得連動型の奨学金とか、あるいは給付型の奨学金とか、そういったことが唱えられ、実現してきているということだと思います。
 そういう意味で、奨学金破産が増えているというのは憂慮すべき事態であることは間違いないと思います。

○官房機密費の使途について

【朝日新聞・竹下記者】
 官房機密費について伺いたい。本日午後、官房機密費の使途の一部について開示され、官房長官の裁量で使用できる政策推進費に9割近くが集中していることが明らかになった。そもそもこういった使途や支出先を明らかにしない官房機密費の是非についてどのようにお考えか伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 難しい質問だと思います。我々も与党の時には、そういった官房機密費というのは従来の延長線上で使っていたはずですので、その時に何も言わずに今言うというのはあまりフェアでない気もいたします。
 外務省の機密費については実質的にはそういったものは最小限にするということになっていますが、内閣の官房機密費については非常に透明性の低いものですので、事後的にある程度わかるようにすべきではないかとは思います。

○世論調査 内閣支持率の下落について

【フリーランス・上出記者】
 きょうの閣僚会見の中で聞ける範囲で聞いたが、各報道機関の週末の世論調査で非常に激しく内閣支持率が落ちて、大体30%台。これだけ劇的に変わるとは思っていなかった。またぶり返すということもあるが。「選挙の時にこれが出ていたら結果がどうなっていただろう」とよく言われるが、そのことも含め、一連の世論調査などからお感じになったことがあれば伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 きのうの質疑を聞いていましても、与党の質疑者ですが、与党、あるいは自民党、あるいは内閣がしっかり厳しくやったからここまで出てきたとか、全く見当違いのことを言っている方もいました。もっと危機感を持つべきだと思います。本当に事実関係を明確にする努力をしないと、簡単にはこれは戻らないと思います。

○社会保障と税の一体改革について

【「フランス10」・及川記者】
 5%から8%の消費税増税の正当性について伺いたい。総務省の2012年の家計調査によれば、年収300万円以下の人の消費性向は0.8、つまり月25万円の収入がある人は月20万円消費する。ここに消費税8%で、月1万6000円、年19万2000円支払うことになる。年収300万円の人が年間200万円分、再分配で返ってくるということはあり得るのか。消費税の増税の正当性について伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 もちろん消費税、所得の少ない人ほど厳しい部分はありますが、同時に消費税収は全額社会保障4事業に充てられることになっていますので、所得再分配機能というのもその消費税を税収としてなされるわけですから、そこを双方見ないと本当のところはわからないのだと思います。

○友党連携・野党連携について

【フジテレビ・大築記者】
 きのう連合の神津会長が緊急会見を開き、今回のこの森友改ざん問題を受けた連合の見解を発表したが、この責任の一旦は野党にあると。小さな違いをああだこうだ言わずに野党が一丸となってと、野党結集を求めたが、この見解に関する岡田さんの考えを伺いたい。岡田さんは従来、統一会派が頓挫した後はゆっくり議論して党内立て直しというか、ゆっくり党内で議論していくべきだという考えだと思うが。

【「無所属の会」代表】
 「ゆっくり」という言葉を私が使ったことはございません。「議論していくべきだ」というふうにも言ったことはありません。
 私が言っているのは、お互い信頼関係をつくって、ある程度時間をかけないとうまくいかないということを言っているので、ちょっと今の質問は私には理解できない質問です。

【フジテレビ・大築記者】
 時間をかけていくべきだと。連合は、緊急会見を開くくらい焦りが感じられたが、この連合の見解に関する岡田さんの考えを伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 この森友関係については6党一致してやっているということが成果につながっていると私は思います。ですから、案件によっては6党でしっかりやるということの有効性が確認されたと思います。
 それから3党に関して言うと、もちろん3党がしっかりとした大きな固まりになることが望ましいことは言うまでもありません。ただ、言えばできるわけではないので。連合も、その3党が一つの固まりになるという具体策について、もしお考えがあれば言っていただいたほうがいいと思います。

○奨学金制度について(2)

【「フランス10」・酒井記者】
 奨学金に関しての質問だが、今返済に苦しむ若者に対してどのようにお考えか。対案などを具体的に伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 私は専門的にこれをやっているわけではないのでわからないところもありますが、ただ、返済が滞るとその分猶予されるのではなくて、利息が加えられていくというようなことについては、非常に問題があるとは思っています。  所得に応じていろいろな猶予制度をさらに充実させるとか。これから所得連動型の奨学金を広げていきますと言うだけではなくて、既存のものについてもどうするかということはしっかり考えたほうがいいと思います。  他方で、余裕があるのに返さないと。そういうことについてはきちんと、一定の所得を得ている人については返していただく。そのための努力も同時に必要だ。国民の税金ですから。そういうふうに思います。

○森友問題 佐川前理財局長の証人喚問について(2)

【テレビ朝日・村上記者】
 改めて森友問題に関して、与党側が最終的に佐川氏の参考人招致ではなく証人喚問に応じたことへの所感を改めて伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 まあ、当然ではないですか。もともと私が聞いているのは、福山幹事長に対して二階幹事長が電話してきた時のそのやりとりからしても、証人喚問ということはいわば前提だったと思っています。ですから当然のことを、もう少し早く決めてもよかったと思っています。