大塚耕平代表記者会見
2018年4月12日(木)15時00分~15時16分
編集・発行/民進党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
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■冒頭発言 ■質疑
- シリア情勢 米国等の軍事行動の可能性について
- 財政再建について
- 新党協議会の議論について(1)
- 福田財務次官のセクハラ報道について
- 新党協議会の議論について(2)
- 日米首脳会談 通商問題について
- 新党協議会の議論について(3)
■冒頭発言
○大分県で発生した土砂崩れ災害について
【代表】
まず、大分県の土砂崩れで犠牲になられた皆様方のご冥福をお祈り申し上げますとともに、まだ行方不明の方々がいらっしゃいますので、一刻も早く救出されることを願っております。
○森友「口裏合わせ」「ごみ水増し」「もっと強気で行け」報道等について国会で質疑
【代表】
きょうも皆さんの報道で、「口裏合わせ」に関連して、トラックをたくさん使ったということにしてくれ(と財務省理財局から森友学園側へ依頼があった)のみならず、そもそも(ごみの)積算量をかさ上げしてくれ(と近畿財務局から大阪航空局へ依頼があった)という報道がありました。
きょうは財政金融委員会で私自身そのことを太田理財局長に聞きまして、「確認をする」ということでありましたが、委員会の中でも申し上げましたが、もうほとんどこれは、財務省が絡んで詐欺行為が行われたに等しい事案に発展しています。こういう事態でありますので、その他の自衛隊の日報問題や加計学園の問題も含めて、安倍政権の不正、そして民主主義に対する冒涜はきわまったと言わざるを得ないと思っています。
また「文藝春秋」で、当時の佐川理財局長の委員会の答弁中に、総理が「もっと強気で行け」と言ったことを秘書官が伝言メモで渡したという、そういうくだりのある記事が出ました。きょうそのことも委員会で聞きまして、野上官房副長官から、「関係の秘書官と、総理ご自身にも、そういうことがあったか、あるいは記憶にあるかということを聞いたが、それはないというふうに言われました」と答弁がありました。
あったかないかは今後も検証していかなくてはなりませんが、もしあったとすれば、きょう委員会の中でも申し上げましたが、その後に公文書偽造とか詐欺行為が行われているわけですから、あるいはその前段階でも事実上行われているわけですが、人事権を持った人がそういう発言をもし伝えたとしたら、これは教唆とか強要になるのではないかという懸念すらあります。非常に重大な問題がさらに深刻になってきたと思っていますので、しっかり我々も事実関係を検証したいと思います。
○拉致問題・日米通商問題等、安倍政権の外交能力について
【代表】
外交関係では、北朝鮮情勢に関連して、北朝鮮から「日本人拉致問題は解決済み」と伝達されたという報道もありましたが、安倍政権の外交能力にも疑問が生じています。
これは北朝鮮問題のみならず、あれだけ出血大サービスをして「友人関係」を築いていたはずのトランプ大統領からツイッターでも名指しで批判の対象になったり、あるいは日本も関税(引き上げ)の対象になったりしているわけでありますので、大いにゆゆしき事態だと思います。
○第2回新党協議会を開催
【代表】
新党については、きょう新党協議会が行われまして、きのう・おととい行われた「綱領・基本政策に関する検討会」「組織・規約・選挙に関する検討会」の検討結果が報告されました。
この検討結果を踏まえ、きょう民進党としても党内にこの検討結果をお伝えして、広く意見・指摘を募るプロセスにこれから入ります。週明けまでにそのような対応が行われます。
皆さんのお手元にお配りさせていただいたチラシは、これは新党結党に向けて各議員、自治体議員の皆さんも含めて、これから活用していただくために、きょうからリリースしましたので、ご参考までにお配りさせていただきました。
■質疑
○シリア情勢 米国等の軍事行動の可能性について
【「フランス10」・及川記者】
シリア情勢、塩素ガスをアサド政権が使ったということで、トランプ政権、イギリス、あとマクロンさんも「攻撃する場合は参加する」と言っている。もしこの攻撃がされるとすれば、どう評価するか。あと日本政府の対応はどうすべきか伺いたい。
【代表】
シリアが化学兵器を使ったということが事実であれば、これは大変ゆゆしき事態であります。また、化学兵器でなくても大勢の方が現に亡くなっているわけでありますから、シリア情勢は大いに憂いています。
そういう中で、もし化学兵器が使われていたということであればアメリカとしては断固たる行動をとるということで、今皆さんご承知の展開になっているわけでありますが、たしか報道によると、イギリスのメイ首相も、その確証がない中では慎重に対応するようにというふうなコメントをされていると記憶しています。やはりその部分については、実際に使われたかどうかということの検証が必要だと思います。
また、米国を含めた各国は、これは極力平和裏に事態を好転させる努力を最後まで続けてほしいと思います。
一方、シリア政府には当然、自分たちのとった行動について、どのようなことであったのかということを国際社会に十分説明する必要があります。
以上申し上げたような点を日本政府としてはしっかり主張していくべきでありますし、民進党としてもそういう立場でこの問題は考えています。
○財政再建について
【「フランス10」・及川記者】
財政再建について伺いたい。1000兆円借金があるといっても、400兆円は日銀が保有しているわけで、400兆円分は借金とカウントしなくてもいいという考えもあるが、民進党の財政再建策について伺いたい。
【代表】
財政再建に関しては、400兆円は日銀が持っているからこれは返さなくていいということが仮に公式に決まると、その瞬間に日銀のバランスシートに対する信頼が失われますので、どのような反応が出てくるかというのは非常に不確実性が高いです。
とはいっても、私もいつも申し上げておりますが、400兆円全部を返済しなくとも、日銀はある一定の資産を保有せざるを得ないので、その一定額については及川さんが言うようなことも当てはまるかもしれない。ただ、400兆円全部というわけにはいかないということです。
財政再建策は、基本的にやり方は三つしかないです。プライマリーバランスを黒字にするか、インフレにするか、さもなければ踏み倒すということを政府がやるか、この三つしか基本はないわけであります。それに加えて、中央銀行の財政ファイナンスが4番目の手段と説明する学者もいますが、財政ファイナンスは結果としてインフレにつながる政策パスでありますので、今申し上げた2点目に連動していると考えたほうがいいと思います。
民進党としては、常々申し上げておりますように、現実的にプライマリーバランス黒字化を目指すという努力は怠ってはいけないし、もともと民主党政権のときに1%インフレ目標を明確にして日銀に対応を促したわけでありますから現実的でモデレートなインフレというのは我々も目指していきますが、1も実現できていないのに2を目指すために日銀のマネタリーバランスを既に4倍にするという、こういう非論理的な政策には反対です。
○新党協議会の議論について(1)
【NHK・稲田記者】
新党に関して。きょう協議会が開かれた。きょうにも所属議員に示すということだが、その先の日程感。大型連休を挟み、どういった日程感をお持ちなのか。それから共同代表は置かないということだが、大塚さんは新党の代表ということは考えているのか伺いたい。
【代表】
週明けまでに、まずきょう示された政策や規約の骨子に対する意見が返ってくると。それから来週中は、その返ってきた意見を反映する、ないしは検討するというプロセスが実際行われる、ということまでははっきりしていますが、その後のことまではまだ決まっていません。
ただし、「できる限り早期に中道的な新しい党を目指す」という大方針は変わっていませんので、できる限り早期に結論に到達できるように努力します。
【NHK・稲田記者】
みずからの代表就任については。
【代表】
それは新党協議会で決めることですので、今、私は白紙です。
○福田財務次官のセクハラ報道について
【NHK・稲田記者】
福田財務次官のセクハラ報道について、どうお考えかお聞きしたい。
【代表】
財務省としても、福田氏個人としても、大変恥ずかしい話だと思います。ご本人が出処進退を考えられて対応すべきだと思います。これだけ深刻な事態、森友ですが、深刻な事態を招いている中で、あれが事実だとすれば、一体事務次官として何をしているのかということであります。コメントするのもはばかられるような何とも品のない話でありますが、ご本人が潔くご自分の出処進退を考えられるべきだと思います。
○新党協議会の議論について(2)
【共同通信・河内記者】
新党の党名については、今後どういう手続で決めていくものか。きょうの新党協議会では議論に上がったかどうか。それと、代表自身はどんな党名が好ましいか。具体名は言えないようであれば、どういうイメージを持っていらっしゃるか伺いたい。
【代表】
ご期待にお応えできなくて恐縮ですが、まず2点目、きょう議論されたか。全くされていません。
3点目。私個人の意見を申し上げることはできません。
1点目でありますが、これは新党協議会の中で候補を検討するということは必ずやります、当然。しかし、その絞り込まれた候補を最終的にどう決定するのかということは、今後議論になると思います。
○日米首脳会談 通商問題について
【ブルームバーグ・延広記者】
冒頭でも少しお話のあった日米関係に関して。日米首脳会談がいよいよ来週に迫っているが、どのような成果が求められるか。あと、代表も言われましたが、通商関係に関しては何らかの要求があるという懸念もあると思うが、そのあたりはいかがか。
【代表】
日米会談のテーマは大きく二つだと思います。今おっしゃった通商の問題と、もう一つは北朝鮮との対応だと思います
1点目のご質問ですので、私の立場あるいは民進党の立場を申し上げれば、やはり日本が制裁的関税の対象になるのはおかしいと思っています。また、政府もそのような主張をしておりますので、ここは政府と考え方は一致しています。日本が対象から外されることを強く求めていくべきだと思います。
また、単に求めるだけではなくて、外交というのは交渉事ですから、やはり制裁の対象になるというのだったら、しからば安倍総理としては、アメリカにとって必ずしもプラスにならないカードという、どういう外交カードを切る気があるのか。単に行って「言うことを聞いていただけませんでした」というのでは、これは子どもの使いですから。安倍総理の自慢とするところの外交手腕をぜひ見せていただきたいなと思っています。
○新党協議会の議論について(3)
【TBS・小林記者】
先ほど行われた新党協議会で、憲法改正をめぐり、9条を堅持すべきだという考えで一致したという一部報道があるが、この事実関係と、憲法についてどのようなお考えなのか伺いたい。
【代表】
新党協議会で憲法の話は特段、具体的に出ませんでした。それは不思議な報道ですね。
私自身の憲法観については、いつも申し上げているとおり、日本国憲法は大変大切な、しかも価値のある憲法だと思っております。ただし、議論する点が全くないかといえば、時代に合わせて議論するべき点はしっかり議論していく。これが、古くは民主党の時代からの「論憲」「創憲」の立場ですから、その立場は今も変わっていません。
【読売新聞・前田記者】
綱領と基本政策の中で、安全保障法制については「違憲と疑われる部分を見直す」という文言が入るやに聞いているが、これについてはどのようにお考えか。
【代表】
その表現は、確かに案の中にありました。そしてそれは1月17日の統一会派の調整をされたときに入っていた文言でもありますので、個人的には違和感はないです。
ただし、それが最終的にどうなっていくかというのは、それは今後の議論の結果ですので、現時点でそういうふうに決まったわけではありません。