民進党東北地方自治体議員フォーラムは27、28日の2日間、青森県八戸市内で総会・研修会を開いた。総会に先立ち党代表選挙の両候補者応援弁士による応援演説会もあわせて開いた。

宗方保福島県議

宗方保福島県議会議員

 総会の主催者を代表し宗方保福島県議会議員(東北ブロック自治体議員フォーラム代表世話人)があいさつ。 「東北地方を襲った豪雨により、開催が危ぶまれた大曲の花火大会が昨夜、無事開催されたとの報告を受け安堵していた。東北地方を襲った東日本大震災、今回の大雨による洪水など、大変大きな被害を受けながらも、歯を食いしばりながら闘って乗り越えてきた東北人のエネルギー、そして反骨精神こそ民進党の一つの力であると感じており、東北6県は絆で結ばれている。その証拠に、先の仙台市長選挙では民進党の東北6県の連合体が支援し勝利することができた。また、10月10日に告示される衆院青森4区の補欠選挙にはわれわれの仲間である山内崇氏が公認候補として戦いに挑む。心を合わせて、声を合わせて、力を合わせて東北ブロックの総力を挙げてのご支援をお願いしたい」と語った。

田名部定男青森県議会議員

田名部定男青森県議会議員

 開催地を代表してマイクを握った田名部定男青森県議会議員(党青森県連代表)は、東北6県より八戸市に参集した党所属自治体議員並びに趣旨に賛同して出席した自治体議員に謝意を示し、研修会が参加者にとって有意義なものになり成果を納めてほしいと呼びかけた。「この秋には青森4区、新潟5区、愛媛3区とトリプル選挙が控えている。どこも自民党が非常に強い地盤ではあり、大変厳しい選挙区だが、青森県連が一丸となり戦う覚悟であるので、参加者各位の支援を」と呼びかけた。

 総会ではすべての議案、決議が承認され、次年度は岩手県での開催が決定し閉会した。

連合青森の内村隆志会長

連合青森の内村隆志会長

 来賓として出席した連合青森の内村隆志会長は、「現在行われている代表選挙では、野党共闘はどうするのか、エネルギー政策をどうするのかなど、連合から言えば、大変難しい所を争点のように取り上げているが、本来であればアベノミクスに対抗する経済政策なり、生活者の視点としての方針などを民進党としてどう打ち出せるかを、代表としてどうに考えるかを争点にすべき」「先の参院選挙で東北が一定の成果を出したことは、中央との格差や人口減少課題にさらされている、まさに長年の自民党与党の経済政策、政治政策が地域の疲弊、存亡に係わっていることを知らしめて行かなければならないと考える。なかなか評価が上がらない現状ではあるが、これだけ自民党ではダメだと雰囲気がまんえんしている中で、地方議会、さらには国政に形として表して行くためにも、東北が一つにまとまり全国に発信してくれることを期待している」と述べた。

■研修会基調講演

西谷雷佐氏

西谷雷佐氏

 研修会では、たびすけ合同会社西谷の代表である西谷雷佐氏が「あるものを活かして地域発信――今、求められるものは地域を編む力」と題し基調講演を行った。同社は「津軽ひろさき雪かき検定」「短命県体験ツアー青森県がお前をKILL」「津軽錦石拾いツアー」などの青森県ならではの暮らしに注目した企画実施する着地型旅行会社で、住民の「日常」は旅行者の「異日常」ととらえ、その土地に暮らす人々の暮らしぶりに気付き、糸と糸を紡ぎ物語を編みながらユニークなツアーを実施している。

 西谷氏はまた、自身が理事長を務める形で、東北6県に拠点を構える多種多様な職種のメンバーの集い、一般社団法人東北インアウトバウンド連合を組織した。(1)東北6県の魅力を「人と暮らしぶり」で高め、民間主導で「オール東北」をブランド化することにより、東北の観光と物産を世界展開し、東北の観光と物産を世界展開し、東北経済の発展に寄与する(2)東北の観光と物産の世界展開を通し、移住及び雇用促進、地域格差の是正等東北が抱える地域課題を解決する(3)東北が抱える地域課題を解決、マネジメントできる人材を育成する――ことを目的に、作って、売って、受け入れるオール東北をワンストップで行う専門集団として、各分野の専門家が観光を切り口として地域課題を解決する組織。観光事業の究極の目的は移住であり、固定概念で「地域のドア」を閉じることがないよう今後も訪れる人、もてなす人が楽しみながら地域資源を活かして行きたいと語った。

■研修会分科会

 3つの分科会では以下のテーマで研修を行った。

  • 第1分科会 江崎孝参院議員を講師に「地方創生・人口減少社会」についての研修。
  • 第2分科会 大島九州男参院議員を講師に、「復興・教育の問題点」についての研修。
  • 第3分科会 徳永エリ参院議員を講師に、「民進党の農業政策」についての研修。

■研修会全体会議

 前日の分科会報告がそれぞれ行われ、その後、八戸市ブックセンターを視察した。この施設は市内中心部の複合商業施設の1階にあり、2014年に市役所が直営する本屋として開業。民営の書店経営の圧迫を避けるため、一般書店では手に入りにくい書籍を揃えており、ターゲットも中学生から大人としている。店内には座席もあり、ドリンクの販売等も行っており、非常に落ち着いた雰囲気の施設だった。また、市内の書店組合と連携しながらトークイベントなども開いている。

八戸市ブックセンターを視察

八戸市ブックセンターを視察